年齢や学歴を問わず、また地域を選ばない仕事として注目されている「コールセンター」。
最近は、専用システムを使って在宅勤務ができる企業も増え、需要は高まるばかりです。
「やってみたいけど自分には無理かな…」
「働いてみたけど自分には向いていなかったかも…」
などと悩んでいる方も多いことでしょう。
今回は、コールセンター15年のキャリアを持ち採用に携わってきた私が、「コールセンターに不向きな人の特徴」について解説します。
また、弱点の克服方法についてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 某大手コールセンターにアルバイトとして未経験で入社
- 2年後契約社員となりリーダーに昇格
- さらに5年後、SV(スーパーバイザー)に任命されオペレータ指導にあたる
- 地区のエリアマネージャーに昇格し、採用や新規プロジェクトの立ち上げに関わる
コールセンターに向き・不向きはあるの?
コールセンターの仕事は、人によって向き・不向きがあります。
とはいえ、これはどの職種にも言えることで、コールセンターに限ったことではありません。
コールセンターの仕事をただの事務職のようにとらえている方がいらっしゃいますが、これは大きな間違い。
相手の顔が見えないだけで、「お客様の悩みを解決する」「相手のペースにあわせて会話をする」など、れっきとしたサービス業であり接客業だからです。
だたし、仕事は「向き・不向き」で選ぶものではないというのが私の持論です。
なぜなら私の部下にも、「あまり向いていないな」と思う人が弱点を克服しようと一生懸命だったり、逆に「まさにコールセンター向き」と思われる人が、実は電話の仕事が嫌いで辞めたいと思っているなど、「不向き=仕事ができない」ということではないからです。
コールセンターに不向きな人の特徴5選
さて、それを踏まえたうえでコールセンターに不向きな人の特徴を5つピックアップしてみました。
下記の特徴に対し「私は違うな」と思ったあなたは、まさにコールセンター向きと言えるでしょう。
長時間デスクに座っているのが苦手
コールセンターの仕事には、電話を受ける仕事(インバウンド)とかける仕事(アウトバウンド)がありますが、座って電話を受けながらパソコンを操作するという点では同じです。
特にインバウンドの場合は電話が鳴らない時間帯もあるため、待機時間を苦痛に感じたり、同じ姿勢で何時間も過ごすことにストレスを感じるという方には難しい仕事かもしれません。
時給制であれば「待機時間も仕事のうち」ですから、「デスクにある資料を見る」「マニュアルをおさらいする」などして次の電話に備えるのがベストです。
人と会話をするのが苦手・嫌い
最近、「コミュ障なので人と会話をするのが苦手…」という若者が多いようです。
しかし私の経験上、そのように申告する方のほとんどが気の知れた友達とは打ち解けており、あくまでも初対面の人に苦手意識を持っているように感じます。
もちろん、コミュニケーションの取り方が上手なことに越したことはありませんが、相手はあなたが「コミュ障」であることも「会話が苦手」であることも知りません。
おまけにコールセンターの仕事は、ほとんどが1回限りの出会いです。
とはいえ、一日中知らない方とのお話が続くのは事実なので、ストレスだと感じるのであれば避けた方がいい仕事と言えるでしょう。
人の話を聞くより自分がしゃべる方が好き
少し意外に思うかもしれませんが、コールセンターの仕事は「話上手な人より聞き上手」の人の方がうまくいきます。
なぜなら、お客様は自分の話をさえぎる人を一番嫌うからです。
しかし「自分は聞き上手ではない」という方でも、相手の話を丁寧に聞くことを意識すれば聞き上手になることは可能なので、やみくもに恐れることはありません。
気持ちをひきずりやすい
コールセンターの仕事をしていると、世の中には様々な人がいるということを切に思い知らされます。
お客様のなかには無理難題を言って私たちを困らせたり、特に失礼なことをしたわけでもないのにクレームをつけてくるお客様も少なくありません。
慣れないうちはとても落ち込みますが、その気持ちをいつまでもひきずってしまうと次の電話に出るのが怖くなったり、暗い声で応対してしまう場合もあるでしょう。
ただしこの特徴も「慣れ」が解決してくれることも多いので、「気持ちの切り替えが上手い人になる訓練」と思ってトライしてみるのも一つの方法です。
他人の助言に反発しやすい
コールセンターの仕事には必ず「マニュアル」が存在しますが、必ずしもマニュアルどおりに会話が進むとは限りません。
むしろ、イレギュラーな事が多い職種と言っても過言ではないでしょう。
なぜなら、会話中に幾度となくSV(スーパーバイザー)などの指示を仰ぐこともあり、そのアドバイスを素直に聞き入れられないと仕事は進みません。
「人に指図されるとムカつく」という方がお仕事にチャレンジする場合は、肝に銘じておいてくださいね。
自分は「向いていない」と感じたらどうする?
ここまでの解説で、「やっぱり自分には向いていないかも…」と思った方もいらっしゃるでしょう。
とはいえ、「比較的自由な働き方ができるコールセンターも捨てがたい!」という方におすすめの考え方をご紹介します。
弱点を克服する努力をする
初めてコールセンターに挑戦する方も現在勤務中の方も、「この際、腹をくくって弱点を克服しよう!」と前向きな考え方を持つことが大切です。
ポイントは、なるべく自分ができそうな簡単なことから始め、「できた!」という達成感を積み上げていくこと。
例えば、どんな弱点も経験の量が解決してくれる場合が多いので、「今日は一日〇本受ける(架ける)」という目標を立てたり、コミュニケーションを取ることが苦手で会話が続かないのであれば、せめて微笑みながら話す「笑声(えごえ)」を意識するなどは、すぐに取り組めるでしょう。
また、自分を指導してくれる立場の方と意識してコミュニケーションを取っておくことも大切です。
別のコールセンターで働く
「仕事が辛いのは自分に合っていないから」と考えている方は、もしかしたら今のコールセンターの雰囲気が肌に合わないのかもしれません。
というのもコールセンターはそれぞれ特徴があり、10代~20代が多く働いている会社もあれば、年齢層の高い世代が多い会社もあるため、職場の雰囲気も様々だからです。
また、「インバウンドの仕事からアウトバウンドに変えたら気持ちが楽になった」という方も多いので、職場を変えて違う仕事をしてみるのもおすすめです。
別の職種を検討する(転職する)
「一日中座っているなんて絶対できない」「コールセンターはもう無理!」という方は、潔く別の仕事を探しましょう。
今は在宅ワークも多く、クラウドソーシングサイトで仕事を見つけることも出来ます。
また最近では、「在宅コールセンター」の募集も多数しているので、今までの経験も活かせるでしょう。
いずれにしても転職は逃げることではありません。
「新しいスキルを身につけるため」と決心して行動に移しましょう。
まとめ
今回は「コールセンターに不向きな人ってどんな人?」と題して、コールセンターに不向きな人の特徴をいくつかご紹介しました。
コールセンターで働いている人のなかには、「本当は電話って嫌いなのよね」という方や「大変だけどやりがいがあるから」といった理由など、決して「向いている人」ばかりが集まっているわけではありません。
前述しましたが、「向き不向き」で仕事を選ぶのではなく「やりたいかやりたくないか」で選ぶ方がストレスも少なく、スキルとして身につくのも早いというのが実感です。
人生は一度きり。
是非コールセンターの仕事にもチャレンジしてみてください。