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    地域おこし協力隊になってから分かる(ひどい)トラブル6選

    地域おこし協力隊の活動は「地域社会の活性化」という大きな目的を持っています。生まれ育って当たり前に感じていることでも、移住者にとっては価値に感じることが多々あり、地域おこし協力隊の成功事例がたくさん生まれています。

    しかし、活動の中で様々なトラブルが発生することもあります。

    ここでは、東北で地域おこし協力隊を2年ほどしてきた著者が、よくある(ひどい)トラブルを6つ紹介し、その背後にある問題点と解決策を書いています。

    地域おこし協力隊になってから分かるトラブル6選

    1. 自治体や地域住民との対立

    地域おこし協力隊を活用して地域に移住する方は、UターンよりIターンのほうが多くいます。だからこそ、今までにない視点で地域を見て、価値を再発見することができるのです。

    しかし、文化や価値観の違いによる誤解や不一致が生じることもあります。

    協力隊員は新しいアイデアや方法を提案することがありますが、地元の伝統や慣習に反する場合、受け入れられなかったり対立が生じたりする可能性があります。

    この大きな原因としては「コミュニケーション不足」があげられます。Iターンの方が多いため、今まで馴染みがある文化と違うことは当たり前です。協力隊員自身がやりたいことや価値観を押しつけすぎても上手くはいきません。地域の文化や価値観を理解し、尊重する姿勢を示すことが重要です。

    また、地域住民にも協力隊員のアイデアや背景を理解してもらうための啓発活動がとても有効です。まずは地域のやり方の通りにやってみて、いい部分は取り入れ、改善点は信頼関係ができたときに言うと良いでしょう。

    2. 「早く地域貢献したい」という焦り

    地域おこし協力隊は最長で3年間です。実際に経験して分かったのですが、長いようであっという間に感じます。

    しかし、焦りは禁物です。1でも書いたように、信頼関係がなく、地域の文化や価値観を理解していない状態で改善点をたくさん伝えても、ほぼ受け入れてもらえません。

    イメージしてみてください。あなたが地元を好きだったとして、初めて訪れた知人がマイナスな部分ばかり言う人だったら良い気持ちはしませんよね?

    1年目は、地域の行事に顔を出したり、たくさんの方とコミュニケーションとったりしながら、信頼関係構築に努めてください。地域おこし協力隊は、早く貢献することが目的ではなく、最長3年間かけて地域社会を活性化させることが目的です。

    ホップ・ステップ・ジャンプと段階を踏めるように、まずは自分の考えや思いより、地域理解を優先させましょう。

    3. 地域住民からの過度なコミュニケーションや期待

    地方になればなるほど、新しい移住者、特に若い世代の移住者はとても喜んでくれます。移住した方のために飲み会を開いてくれたり、採れた農海産物をおすそ分けしてくれたり、地域によって様々な歓迎があります(もちろんない地域もあります)。

    今まで地域コミュニティがあまり機能していない地域から移住した方は、歓迎ムードがとても嬉しく感じると思います。

    しかし、ここにも大きな落とし穴があります。毎日家に来たり、家の中を覗かれたり、誰か異性が家に来ると「あれは恋人か?」と詮索されることをあります。地域住民は悪気はないのですが、人によっては「常に見られている」「家でゆっくりできない」と過度なコミュニケーションに疲弊することもあります。

    また、過度な期待をかけられることもしばしば。地域おこし協力隊は何かしてくれる、と思っている地域住民も少なくありません。

    会う度に「あなたは何をしてくれるの?」「この前やったあれは上手くいかなかったね。もっと頑張って!」などと言われ、期待に押しつぶされた事例も聞きます。

    「移住したから、地域住民といつでもコミュニケーションを取らなければ」と思いすぎず、適度な関係が良いと思います。また、地域住民側も協力隊員に過度な期待をせず、引っ越してきた「新しい地域住民」くらいの感覚で付き合うと良い関係が続くと思います。

    4. 所属自治体以外での活動がしにくい

    これはあまり知られていないトラブルかもしれません。地域おこし協力隊は「各自治体の委嘱を受ける」形で活動を行います。もちろん、協力隊活動の時間中は、所属地域での活動になります。

    しかし、協力隊員の仲間や近隣市町村に知人ができてくると、自治体の枠を超えて活動したいタイミングが出てきます。

    休みの日や時間外であれば問題ないのですが、活動時間中に地域外で活動する、または求められているミッションと違うことをするには、自治体への確認が必要になります。地方になると、自治体職員が近隣市町村のことを良く思っていない(ライバル視)ことも…。

    なかには柔軟な自治体もあるため、話を進める前に相談することが必要です。「なんで隣の自治体で活動したらダメなんだよ!」と憤っても上手く進みません。どうしても許可が降りなければ、休日扱いにしてプライベートで活動することをオススメします。

    また、自治体職員も、地域おこし協力隊の活動をサポートする立場です。協力隊員の希望を理解し、できることを探してくれるはずです。まずは、お互いに話し合って、納得できる解決策を探しましょう。

    5. 地域おこし協力隊制度の理解不足

    これも良く聞くトラブルです。地域おこし協力隊制度は、2009年に設立され、今年で15年目を迎えます。2022年度までに6,000人以上が協力隊員として活動しています。

    しかし、全自治体が初期から活用していたわけではなく、ここ数年で活用しだした自治体や新たに受入先となる団体・法人も多くあり、理解が不足していることが良くあります。

    実際にあった事例として「自治体の事務作業ばかりで、なかなか活動ができない」「活動費が十分に使えず、団体・法人の資金になっている」などがあります。

    募集内容が詳細に書かれていない場合は、面接などの時に詳細な活動内容を聞くことをオススメします。また、同じ自治体に先輩協力隊員がいなくても、近隣市町村には先輩協力隊員はほぼいるはずです。

    さらに、今はインターネットやSNSで探すとすぐ見つけることができます。事前に情報収集や相談できる先輩協力隊員を見つけておくと、トラブルを事前に回避しやすくなります。

    6. 卒業後の準備ができないくらい忙しい

    無事に協力隊員を3年間勤め上げた後、定住・定着したくてもできない理由として「経済的な問題」が良くあげられます。地域おこし協力隊制度は、基本的に「その地域への定住・定着を図る」取組です。卒業する前に起業や就業などを考えなくてはいけません。

    しかし、人口減少している地方では、なかなか余白を作ることが簡単ではありません。起業の準備や就職先を探したい気持ちはあるのですが、3年間で実績や信頼をたくさん積み上げた人ほど、自治体や地域住民から頼りにされています。

    例えば、活動日は自治体から頼りにされ、休みの日は地域住民から行事などで呼び出され、自分のことを考える余白を作ることが難しい場合があります。

    なかなか断りづらいと思うので、これは自治体が上手く間に入り、卒業後のことを考える余白を活動時間中につくることが必要です。また、卒業した先輩協力隊員や地域おこし協力隊サポート業務を行っている団体にメンタリングをお願いすることもとても良いと思います。

    地域おこし協力隊の活動は、多くの方が不慣れな地域で、最長3年間という制約の中で行います。一般的な引っ越し以上に、地域の文化や活動内容などの情報を収集して着任することをオススメします。

    また、協力隊員だけではトラブルを回避することが難しい場合も多いので、自治体職員や地域住民などの協力が必須です。適度な距離感でコミュニケーションを取り、過度な期待をせず、地域の活性化を“一緒に”やっていく仲間として受け入れてください。

    とてもいい制度なので、上手く活用され、より良い地域社会が築かれていくことを切に願います。

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