最近、求人広告でやたら目につくコールセンターの募集。
おまけに「えっ、こんなにもらえるの?」と気になっている方も多いことでしょう。
結論からいうと、確かにコールセンターの仕事は時給が高いので、稼ぎたい人にはおすすめの職種です。
今回は、コールセンターの時給はなぜ高いのか、その道15年のプロが業界の裏事情も含めてお伝えしていきます。
現在コールセンターで働いている方も未経験の方も知って損のない情報ですよ!
- 某大手コールセンターにアルバイトとして未経験で入社
- 2年後契約社員となりリーダーに昇格
- さらに5年後、SV(スーパーバイザー)に任命されオペレータ指導にあたる
- 地区のエリアマネージャーに昇格し、採用や新規プロジェクトの立ち上げに関わる
目次
コールセンターの時給って高いの?
そもそもコールセンターの時給って他の職種と比較して、どれほどの違いがあるのでしょうか。
もちろん地域によって差はありますが、関東近郊の例で比較してみましょう。
職種別平均時給
資格や特別なスキルを必要としない職種を集めてみました。
どの職種も求人数が多く、大学生などのアルバイトに向いていますが、その中でもコールセンターは季節を問わず安定して時給が高い傾向にあります。
職種 | 時給(平均) |
軽作業・品出し・ピッキング・仕分け作業 | 1398円 |
販売・美容部員 | 1448円 |
飲食店スタッフ(キッチン・ホール) | 1460円 |
レジ・デモンストレーター | 1464円 |
ツアーコンダクター・添乗員 | 1479円 |
イベントスタッフ | 1600円 |
テレオペ・コールセンター | 1627円 |
参照:リクナビ派遣
コールセンターの業務別時給
コールセンターの特徴として挙げられるのが、一口にコールセンターといっても仕事内容によって開きがあるということ。
以下は、東京都のデータを元に、仕事の内容によって時給の違いを割り出したものです。
インバウンド(電話を受ける仕事)は仕事の内容によって開きがあること、また「テレアポ(電話を架ける仕事)」は時給が高く募集も豊富にあり、中には「インセンティブ」が加算される仕事もあるので、頑張り次第では高収入を目指すことも可能ですよ。
業務内容 | 時給(平均) |
インバウンド(秘書代行・電話交換) | 1420円 |
インバウンド(受注・各種問い合わせ) | 1510円 |
インバウンド(カスタマーサポート) | 1610円 |
アウトバウンド(アンケート・世論調査) | 1520円 |
アウトバウンド(営業・テレアポ) | 1640円 |
参考:タウンワーク
コールセンターの地域別時給
次に地域別での違いについて見てみましょう。
「業務別時給」で解説した「テレアポ」を基準にしています。
地域 | 時給(平均) |
北海道 | 1271円 |
宮城県 | 1228円 |
茨城県 | 980円 |
千葉県 | 1484円 |
埼玉県 | 1609円 |
東京都 | 1642円 |
静岡県 | 1000円 |
愛知県 | 1933円 |
大阪府 | 1575円 |
広島県 | 1191円 |
香川県 | 1115円 |
福岡県 | 1227円 |
参照:タウンワーク
コールセンターの時給が高い理由
では他の職種に比べて、なぜコールセンターの時給は高めなのでしょうか。
その理由について解説します。
覚えることがたくさんあるから
コールセンターの仕事は言うまでもなく「電話で話をする」仕事なので、未経験の方は比較的簡単な仕事というイメージを持つ方が少なくありません。
ただし、想像してみてください。
お客様は、その会社のことは何でも知っている人が電話に出ると思っているので、「新人だから」「派遣社員だから」という理由で知識を覚えないわけにはいきません。
時給が高いのは、それだけ覚えることがたくさんあるという裏返し。
時給が高い仕事ほど努力が求められると考えて間違いありません。
即戦力が欲しいから
コールセンターは、一年中即戦力を求めています。
なぜならコールセンターは「離職率が高い」職種だから。
もっとわかりやすく言うと、人の入れ替わりが激しい業界ということです。
それにはいくつか理由があります。
- 思っていたよりも仕事が大変だった
- もともと短期の契約だった
- 少しでも時給の高いところに移りたい
- 上司が嫌い etc
理由はどうであれ、辞めていく人が多ければそれだけ補充が必要になります。
つまり、高い時給を払ってでも、すみやかにオペレーターさんを集めたいというのが本音なのです。
優秀な人材を獲得するため
コールセンターの仕事は時代の仕事。
その証拠に、最近はどの求人誌を見ても「コールセンター」とか「テレフォンアポインター」などの求人ばかりが目につきますよね。
今やコールセンターは全国各地にあり、派遣会社はまさに人の奪い合い。
先ほど説明した「辞めていく人が多い」のも、裏を返せばコールセンターなら仕事はいくらでもあるので、優秀な人ほど時給の高いところを求めて渡り鳥のように転職するからです。
優秀な人材は企業や派遣会社にとっては宝物。
先行投資というわけではありませんが、少しでも良い人材を集めて定着させたいというのが狙いです。
派遣会社の場合、交通費が支給されないかわりに時給を高めに設定しているところも多くあります。
応募する前には、交通費の支給の有無を確認しましょう。
時給をアップする方法
さて、ここからはさらに時給をアップする方法をご紹介しましょう。
土日や深夜帯に働く
最近は、24時間対応や365日稼働のコールセンターも珍しくありません。
自分のライフスタイルに合ってさえいれば、土日の勤務や深夜帯(22:00〜5:00など)は時給が割高になるので、稼ぎやすい働き方といえるでしょう。
ちなみに深夜は昼間ほど電話が鳴らないので、ラクだけど逆に眠くなってしまう…、という声も。
インセンティブがもらえる仕事をする
時給とは別に成果に応じてもらえる「インセンティブ」があると、実質時給アップにつながります。
コールセンターにおけるインセンティブは、
・季節に応じた食材(果物・カニなど)をおすすめする
・資料送付のお願いをする
など、ほとんどが電話をかけて営業につなげるアウトバウンドの仕事です。
一見難しそうに思いますが、実は一番成約につながりやすいのは、あまり深く考えずマニュアル通りに淡々と案内すること。
少し不思議ですよね。
もちろんお客様の質問には答えなければなりませんが、相手に何と言われても動じず、淡々と架電し続けられる人はアウトバウンド向きと言えるでしょう。
リーダーやSVなどの役職者になる
リーダーやSV(スーパーバイザー)などの役職者になると、収入は間違いなくアップします。
例えばSVなら、時給換算で2000円以上になるはずです。
同時にリーダー手当のような報酬をもらえたり、正社員への道にもつながるので、安定した収入を目指すのなら挑戦してみる価値はありますよ。
ちなみにSVになるには、私がそうであったように、オペレーター→リーダー→SVと階段を上って行くのが一番の近道です。
まとめ
時給が高めで求人数も多い「コールセンター」。
おまけに特別な資格もいらなくて勤務時間も選べるとあれば、人気がないわけがありません。
「意外と大変だった…」と感じるか「最初はきつかったけど慣れてきた」と思うかはあなた次第。
間違いなく言えることは、高い時給をもらいながら敬語の勉強や、コミュニケーションの訓練もできるメリットの多い仕事だということでしょう。