「満員電車での通勤を辞めたい」
「田舎でのどかな生活をしたい」
「田舎に移住してのんびり働きたい」
このように、都会で暮らす人を中心に田舎での暮らしに興味を持つ人が増えてきました。ある調査結果では、都会に住む人の3人に1人が都会から田舎への移住を検討しているほど、多くの人が移住について興味を持っています。
しかし現実は、「車の維持費が高い」「近所付き合いが大変」など、実際に田舎に移住すると苦労も多いようです。
そこで、当記事ではよくある移住の失敗例と、移住を成功させる秘訣についてまとめてみましたので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
目次
よくある移住の失敗例
一言で移住と言っても、そう簡単ではありません。よくある移住の失敗例は以下の通りです。
収入が減って生活が苦しくなった
都会と田舎では収入に差があります。都会は都会、田舎は田舎の生活レベルがあるため、収入もそれに応じて支払われる場合が多いです。
具体的な生活レベルの違いは、都会暮らしにはアパートが必要ですが、田舎では実家で暮らすことができます。また、アパートを借りると駐車場も必要になることがありますが、田舎ではほとんど必要ありません。他にも、物価が違うので、生活にかかる費用も都会と田舎では違います。
このように、都会で暮らすには田舎よりもお金がかかるので、都会のほうが収入が多い傾向にあります。ただ、これはあくまで平均の話なので都会で働く人の収入以上に稼いでいる人がいるのも事実です。
ですが、一般人であれば移住をすれば収入は減る場合が多いでしょう。都会での暮らしと同じような感覚で生活すると、収入の格差で生活が苦しくなる可能性があります。
スーパーが少なく毎日の生活が大変
田舎では近くのスーパーまで車で10分以上かかるのは当たり前です。都会では歩いて1〜2分の所にスーパーがある場合が多いですが、田舎では違います。
「ちょっと買い物に行きたい」という感覚で外に出ても、結構時間がかかってしまうのは田舎の不便な所です。歩いて行ける距離にスーパーなどが無いので、車での移動が必須になります。
また、距離が遠いという他にも店舗数が少ない点も不便なところではないでしょうか。田舎は都会に比べて店舗数が圧倒的に少ないです。
そのため、1つの店舗にお客さんが集中します。その結果、商品がたくさん売れるため店頭に並んでいる商品が少なくなってしまいます。買い出しのタイミングが遅いと残り物しか残っておらず、食材も選べない状態になってしまうので注意が必要です。
地域に馴染めない
一番多い失敗例は、地域の方々と馴染めないということです。都会から田舎へ移住すると、田舎の人達は「よそ者」という目で最初は見てきます。
「あれは誰だ?」「どこから来たんだ?」などといったように、移住してきた人に対して「興味」を示します。すれ違うと、玄関でひそひそと話をしていたり、自分のことを言われている気がすると勘違いしてしまうこともありますが、実はそうではありません。
ここで勘違いしてはいけないのが、自分から「挨拶」や「コミュニケーション」をとる努力をすれば、地域の方々も受け入れてくれるということです。
都会では地域の付き合いはそこまで密ではないので、挨拶や近所話もする機会は少ないかもしれません。ですが、田舎ではその逆です。挨拶だけでも「自分のことを気にかけてくれる」と喜ぶものです。
最初は話しかけづらいかもしれませんが、挨拶だけでも自分からしっかりとすれば向こうから話しかけてくれて、受け入れてくれることでしょう。
学校が遠くて大変
田舎では、最寄りの小中学校まで距離が遠い場合があります。通学時あまりにも距離が遠い場合は「スクールバス」で学校まで行くことが可能です。
ですが、部活動などで帰宅時間が遅くなってしまった場合は、バスも無く帰る手段がありません。
そのような時は車で迎えに行かないといけないので、仕事や家事と送り迎えで忙しくなります。特に雪国では、道路状況によって頻繁に迎えに行かなければいけません。
学校が遠いと、そのような送り迎えをする場合も多くなるかもしれませんね。
車の維持費が高い
田舎では車の所持が必須です。中には車を持たない人もいますが、非常に不便で生活しづらいでしょう。
近くにスーパーやコンビニなどがあれば、ある程度の暮らしはできるかもしれません。ですが、友人や知人と出かける時や、ちょっと遠くに出たい時などは車があったほうが便利です。
また、子供がいると送り迎えに車が必要になるので、田舎暮らしには車があったほうが便利でしょう。
しかし、車は安く買える物ではありません。初期費用が高いだけではなく、維持費がかかります。主な車の維持費として、税金、車検、オイル交換、タイヤ交換、ガソリン代、修理代などです。
車は持っているだけでお金がかかりますが、田舎暮らしには必要不可欠のためよく考えて購入しましょう。
雪に慣れていないため大変
雪国では除雪をするのが当たり前ですが、都会では雪があまり降らない場所も多いでしょう。そのため、都会から田舎に移住すると雪の量に圧倒されて苦労する方が多くいます。
雪国にとって除雪は当然のことですが、あまり雪が降らない環境に慣れていると「住み辛さ」を感じてしまうかもしれません。冬は朝早起きして除雪作業をすることが多くなるので、都会に比べて田舎の冬は大変です。
都会から田舎へ移住してすぐは、雪のある生活を不便に感じる方も少なくはありません。
移住を成功させるポイント
移住を成功させるポイントはいくつかありますが、最も重要なポイントを3つにまとめました。
仕事をしっかりと決めてから移住をする
移住先で収入が無いと、生活が苦しくなるのでできれば避けたいです。収入が無い状態が長く続けば、生活が苦しくなるだけでなく、周りの人からの信用も下がります。
地域の方々と密接に関わらなければいけない田舎では、しっかり仕事に就くこともその人の人間性を表す一つのバロメーターとなります。「多様化した価値観が認められる都会」とは違い、田舎では「人並みの生活」が求められる雰囲気があります。
しっかりとした仕事に就くことは、収入を確保することの他にも、周りからの信頼にもつながるため、仕事を決めてから移住をするようにしましょう。
相談窓口なども利用しながら情報をしっかりと集める
各自治体の相談窓口がある場合は、積極的に利用しましょう。
移住についてネットで情報を集めることもできますが、それだけでは不十分です。なぜなら、ネットに掲載されている移住に関する情報は、良いことが多く書かれているからです。
仮に移住をしたとして、その後生活していくのは自分自身です。自分の目で見て聞いた情報と、ネットで何となく検索してヒットした情報とでは大きな違いがあります。
ネットで移住について検索するのであれば、役所などの公共的な施設が運営しているHPなどを参考にすると良いでしょう。
なおかつ各自治体の相談窓口があればそちらで直接話を聞いたほうが、現状を踏まえたうえで現実的なアドバイスをくれるので移住も成功しやすいです。
目的や目標を持つ
自分がなぜ移住をしたいのか「目的」や「目標」を持つことは非常に重要です。目的や目標が無いと、移住をした後にちょっと壁にぶつかっただけで気力が無くなってしまいます。
「自分は移住をして何がしたいのか」「本当に移住する必要があるのか」など、自分と向き合ってしっかりとした「芯」が無ければ、移住しても気力が続かなくなって体調を崩したり、まともに生活することができません。
そうならないためにも、しっかりとした「目的」や「目標」を持つことは、移住をするうえでとても重要になります。
まとめ
近年、都会から田舎へ移り住む「移住」に興味を持つ方が増えてきました。移住は一見とても魅力的な話に思えますが、現実はそう簡単な話ではありません。
その要因は都会と田舎の生活レベルの違いと、価値観の違いにあります。都会よりも田舎の給料は低く、近所付き合いも密接になっています。また、スーパーや学校などの施設も距離が遠いため車が必要です。
このように、都会とは違った田舎の生活レベルと価値観の違いに馴染むまでは時間がかかります。目的や目標をしっかりと持っていれば、田舎の生活に馴染むまでのあらゆる困難も乗り越えることができるはずです。
しっかりと準備をすればきっと移住を成功させることができるので、この記事を参考にして少しでも移住に対して前向きに考えてもらえたらと思います。