心地よい波音と、どこまでも続く青い空と海。
輝く太陽に照らされて、ゆっくりと時間が過ぎる。
「沖縄で暮らしてみたい」
沖縄を訪れたことのある人なら、一度はそんな思いを抱いたことがあるはず。
今回は、そんな沖縄への移住を夢見ている人や考え始めた人に向けて、沖縄本島で暮らすメリット・デメリット、実際に仕事の探し方をご紹介します。
この記事を読むことで、沖縄移住についてより現実的に考えられるようになりますので、ぜひ沖縄移住を成功させるために参考にしてみてください!
2024最新!沖縄に移住しよう!沖縄移住のメリット&デメリットをご紹介
さて、沖縄での移住生活を考えるとワクワクする人も多いのではないでしょうか?
しかし、実は沖縄へ移住したものの、理想と現実のギャップに悩んで帰ってしまう人も多いこともご存じでしょうか。
リゾートホテルに滞在して日々の喧騒を忘れてリラックスしたり、マリンスポーツやネイチャーアクティビティなどの趣味の世界を思う存分楽しんだり、沖縄で充実した旅行を体験した人が沖縄への移住を検討するようになることは自然の流れです。
ですが、「移住」は旅行ではなく、実際に沖縄で生活をすることになり、いつまでもお客様気分のままではいられません。
ここでは、まず沖縄移住のメリット・デメリットを知ってもらって、リアルな沖縄を知り移住後の生活をより具体的にイメージしてもらいたいと思います。
沖縄移住のメリット
はじめに沖縄本島へ移住するメリットとしてよく言われる5つをご紹介します。
1.冬の寒さがない温暖な気候!
沖縄本島の年間平均気温は「23度程度」で、東京や大阪と比べると平均気温は6~7度ほど沖縄本島の方が高くなっています。夏の気温は北日本を除く地方とあまり変わりませんが、冬の気温は10度近くも那覇市の方が高くなっています。
沖縄本島の那覇市では10月ごろまでアロハシャツに短パンで過ごせる日が多く、真冬でも10度より下がる日は少ないため、沖縄県の気候は冬にあまり寒くならないことが大きな特徴と言えます。
そのため、年間を通してダイビングやサーフィン、シュノーケリングなどのマリンスポーツや釣り等のレジャーを楽しむことができます。寒さが苦手な人にとって過ごしやすいことが魅力です。
2.花粉の悩みから解放される!
スギやヒノキは、春になって寒さが和らいで、気温が上昇すると一斉に多くの花粉を飛ばすようになります。花粉症の人にとって毎年くる憂鬱な春も、年間を通して温暖な気候の沖縄では、ほとんどスギやヒノキの花粉が飛ばないことが大きな魅力です。
沖縄県の森林にスギやヒノキが少ない理由は、植樹しても台風で倒れてしまい成長しにくいことや、戦後の植林政策で減らされたからではないかとも言われていますが、やはり沖縄ならではの温暖な気候が要因となっているそうです。
沖縄移住すると、花粉症特有の目のかゆみや鼻づまりの症状やマスク生活から解放されて快適に生活できるため、花粉症に悩まされている方にとっておすすめしたいポイントです。
3.都会の家賃と比べて沖縄の家賃相場は安い!
都会では1人暮らし用のワンルームでも設備や立地によっては10万円以上することも珍しくありません。
インターネットの賃貸物件紹介サイトで確認したワンルームの平均家賃は、那覇市(南部)で「4.5万円~」、沖縄市(中部)で「3.5万円~」、名護市(北部)で「3万円~」となっています。
沖縄なら以前の家賃と比べて1/3程度に抑えることも、半額程度の家賃で広さが倍以上になるような物件を見つけることや、都会で支払っていた金額と同程度の家賃を支払ってよりハイグレードな物件に住むこともできます。
また、家賃の出費を抑えた分は他のことに使ったり貯蓄に回したりすることも可能です。沖縄へ移住することで、理想の物件を探しやすいことも魅力です。
4.大自然の恩恵を受けた生活ができる
「美ら海」に囲まれ豊かな自然に恵まれた沖縄での生活は、都会の喧騒から解放されてゆったりと生活することができると感じる人が多いです。
温暖な気候の中、透き通った海でダイビングに挑戦したり、人の手が加わっていない大自然を楽しんだり、沖縄県の離島へ気軽にアクセスできたりすることは沖縄移住ならではの醍醐味です。
時間に追われることなく、ただゆったりと海を眺めるだけで極上のリラックスが手に入ります。多くの移住者が沖縄の海や自然に癒やされると話しています。
5.国内も海外もアクセス抜群!
沖縄は日本人からも外国人からも人気のリゾート地なので、沖縄本島にある那覇空港発着の飛行機は大変多く運航されています。
国内線の中で1番多いのは羽田空港、次に関西空港や中部国際空港などの大都市の空港からのフライトになっています。
日本各地への航空路線が整備されていて、北海道の新千歳空港への直行便もあり、国内旅行だけでなく帰省や出張にも大変便利です。
また、短期間の旅行日程ではアクセスが難しい石垣島や宮古島など沖縄県有数の離島には、1時間に1便のペースで就航しているので気軽に遊びに行けます。
東京や大阪といった大都市へはジェットスター、Peach、スカイマークといったLCCの直行便を利用することで飛行機代を安く抑えることもできます。
国際線では、那覇空港発着で最も多いのは韓国の仁川国際空港で、次に台北の台湾桃園空港までの飛行機が多くなっています。
アジア最大級のハブ空港と言われる仁川国際空港を経由すれば、世界中へのアクセスがより身近になります。週末を利用した国内旅行だけでなく海外への弾丸旅行にも挑戦できるのも魅力です。
沖縄移住のデメリット
メリットも多く魅力あふれる沖縄移住ですが、憧れや理想だけでは失敗してしまいがちだと言われています。この記事では、沖縄移住を考える上で知っておくべきデメリットについて5つご紹介します。
1.「移住・就業支援金制度」を活用できない
実は大変残念なことですが、沖縄への移住に係る渡航費等金銭面の助成や、住宅の斡旋等の移住支援金、起業支援金の支給は行っておりません。
沖縄県以外を対象とした移住では、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)から地方に移住して就職したり、起業などを計画したりしている人に「移住・就業支援金制度」があります。
これは移住元の要件と移住後の要件の両方を満たす必要がありますが、単身でも最大60万、世帯では最大100万円の高額な支給を受けることができます。
しかし、現在沖縄県が行っている移住支援は就職支援事業が主になっていて、「移住・就業支援金制度」「起業支援金」などの制度は利用できないので移住支援制度の利用を計画している人はご注意ください。
2.輸送費の関係で送料や物価がやや高め
本土から沖縄へ物を運ぶためには船や飛行機を利用するため、鉄道輸送よりも輸送費がかかり、本土から入ってくる品物の値段は本土よりも高く設定されている場合が多いです。
そのため、以前と同じ生活スタイルのままでいると生活費が上がってしまったり、逆に違う品物に変えることで生活水準が下がったりしてしまうケースも考えられます。
ネットショッピングやネットオークションで商品を購入する際にも今までなら「送料無料」だった買い物が、沖縄や離島へ送料として別途加算されてしまいます。
同様に、本土からの引っ越しの場合も必ずフェリーや飛行機を使用したコンテナー輸送が必要になるので、その分の料金が掛かるため通常よりも高額になります。
沖縄は離島ですので、離島への物資の輸送には余分に費用がかかることを理解しておきましょう。
3.移動手段の確保が大変
沖縄を訪れたことがある人は知っていると思いますが、沖縄では電車や地下鉄は走っていません。那覇市内には浦添市まで開通しているモノレールが走っていますが、県内の移動はバスやタクシー、マイカーを利用する車社会です。
そのため、沖縄のバス路線は複雑でバス運賃も安いとは言えず、通勤や通学で思わぬ移動費用の出費がかさんでしまうかもしれません。
沖縄でもモノレールを利用できないエリアに住む場合は、車を所有する可能性があることも考えておきましょう。所有する場合は、車を購入し維持する費用もあらかじめ予算に組み込んでおくことが大切です。
基本的に車社会なので、主要道路では通勤時間帯は毎日交通渋滞が発生しています。
それ以外にも雨の日や観光シーズンは時間帯に関係なく渋滞が発生します。満員電車から逃げてせっかく沖縄まで来たのに、今度は車の運転にストレスを感じてしまうかもしれません。
4.沖縄の慣習や風土になじめない
沖縄スタイルと呼ばれる地元の人たちの生活習慣や人間関係に溶け込めないと、大きなストレスを感じてしまいます。
沖縄の言葉で「ないちゃー(本土から来た人)」と呼ばれて地元の人と心の距離を縮めることができず疎外感を感じてしまったり、沖縄の慣習や地元の人間関係になじめなかったり、「ウチナータイム」という沖縄県民独特の時間感覚にストレスを感じたりして、沖縄を離れてしまう人もいます。
ですが、この問題は沖縄移住に限った話ではなく、日本のどこに移住しても当てはまりますよね。自分が新しい環境を受け入れる努力をすることで、地元の人に受け入れてもらってこのような問題が解決する場合もあります。
しかし、中には体質的に沖縄特有の気候に対応できない人もいるそうです。
沖縄は亜熱帯気候で湿度の高い日が多く頻繁に雨が降るため、気候の変動が原因の片頭痛体質の人には厳しいと聞きます。
また、直射日光が非常に強いため肌トラブルを抱えたり、強い日差しで頭痛を誘発したりといった気候が誘因となる体調不良に苦しむ人もいると聞きます。
沖縄特有の気候に合わない人にとっては、沖縄で生活することそのものが大変苦しいものとなってしまいます。可能であれば、移住する前に一定期間沖縄で生活を体験してみることを強くおすすめします。
5.仕事探しが難航することも
沖縄に限らず地方都市へ移住した場合、都心部と比べると選べる職業の選択肢も限られてきます。
特に、離島である沖縄は本土に比べると働ける場所が多くはなく、一部の専門職を除いて高給の仕事を見つけるのは難しく、以前と同じ業種では求人すら出ていない場合も考えられます。
移住した後で「仕事探しはどうにかなるだろう」と甘く考えていた場合、仕事がなかなか見つからず金銭的に追い込まれてしまいかねません。収入源の確保は、移住前にしっかりと計画しておきたいところです。
移住生活の成功を決めるポイントともなる「仕事探し」について、次の章でご紹介したいと思います。
沖縄で仕事を探そう!
沖縄本島を含めた160の島々からなる沖縄県の主産業は、観光産業をはじめとする第三次産業です。
沖縄ならではの仕事を始めようとダイビングのインストラクターやホテルマンなど観光業に新たに挑戦する移住者も多くいますので、観光客と接する機会が多くコミュニケーションが好きな方にはおすすめです。
ですが、観光業はシーズンオフになると需要が減ることも知っておきましょう。
それでは、はじめに沖縄県の平均年収や全国の中での平均年収の順位、最低賃金をみてみましょう。
沖縄県の平均年収
「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、沖縄県の平均年収は「252.0万円」で青森、宮崎に次いで全国ワースト3位でした。
都道府県別の賃金が全国計は「311.8 千円」なので60万円ほど下がります。
ちなみに、全国計よりも高かったのは5都府県(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県)で、最も高かったのは東京都「375.5千円」です。
※平均年収は、毎月の賃金に時間外勤務や休日出勤などの手当、ボーナスなどの特別給与を加えて算出しています。
沖縄県の最低賃金
「厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧」によると、令和3年度における最低賃金(時間額)の全国平均は「930円」でした。
都道府県別に最低賃金を見ると、東京都の「1,041円」が最高額で、沖縄県は青森県をはじめとする他9県と同様の「820円」で最低額でした。令和4年10月に最低賃金改定が予定されていて、改定後の沖縄県の最低賃金は「853円」に値上がりが予定されていますが最低額のままになります。
このように特に沖縄の場合、東京都や神奈川県、大阪府などの大都市と比べると最低賃金の額が少ないのが現状です。移住を成功させる上で最も大切なポイントの1つは、「収入減となる仕事の確保」です。
移住する前に準備しておくか必ず現地の就職状況などについて調べておきましょう。
また「今の仕事をリモートワークで続けられるから問題ないよ」という人も、会社の状況が変わって移住後に別の仕事を探す必要があるかもしれません。あらかじめ同じ業種の求人状況等調べておくと良いでしょう。
それでは、新たに沖縄で仕事を探す人に向けて就職を支援している公的な機関や施設を今からご紹介します。
若年者県内就職促進事業「りっか沖縄」
「りっか沖縄」では、沖縄へUターン、Iターン就職を考えている人に向けて、県内企業への就業に向けた各種サポートを行っています。
これまでのスキルを活かした仕事を探す人や、全くのキャリアチェンジで新しい環境にチャレンジする人、学生で卒業年次に利用する人やインターンシップ情報等の収集目的に早期に活動をスタートする人も利用しています。
求人企業によっては「社員寮完備 / 住宅手当 / 引越費用」等の待遇や補助を行っているところもあるので、移住する上での不安や不便を軽減できる場合もあります。
グッジョブセンターおきなわ
グッジョブセンターおきなわは、沖縄本島の那覇市泉崎と中部(サテライト施設)の2か所にあって、ワンフロアに就労・生活・起業支援をおこなう機関が入っています。
はじめて利用する際には、窓口相談員が相談内容を聞いて適切な機関へつないでくれるので、就職や生活などさまざまな相談に無料で対応してくれます。
メールや電話相談も受け付けています。就職希望者向けのさまざまなセミナーが開催されているので、毎月のセミナー情報を確認してみてください。
ジョブカフェスペースではパソコンを無料で利用することもでき、企業研究のためのインターネット検索や履歴書などの応募書類を作成できます。
小さな子ども連れの場合は、無料で一時預かりサービスも行っているので、利用を希望する場合は事前に利用方法等問い合わせてください。
沖縄県キャリアセンター(グッジョブセンターおきなわ内)
15歳から40代前半までを対象にした就職支援を主な目的とした沖縄県の関係機関で、就職氷河期世代(おおむね30代後半から50代前半)への支援も実施しています。
学生や一般の方を対象に就職に関するさまざまな相談に専任スタッフが乗ってくれて、それぞれの目的に合った多彩なメニューかつ実践的なプログラムで支援してくれる心強い相談機関です。
就職相談のほか、就職活動に役立つ各種セミナーやイベントの最新情報を紹介しています。その他、15歳から34歳の子育てをしている人を対象としたセミナーや、企業向けセミナー、教育機関向けセミナーも行っています。
ITキャリア沖縄
ITエンジニア・デザイナーのための転職支援サービスです。沖縄のIT業界に精通した専任コーディネーターが、UIターンも県内転職もサポートしてくれます。
最新・充実の求人情報を提供し、エンジニアの採用に積極的な沖縄県内IT企業の最新求人情報を網羅し、企業選びに役立つ有益な情報を教えてくれます。
また、IT転職専門のコーディネーターがキャリアや希望をじっくりヒアリングして、転職活動をしっかりサポートしてくれます。転職相談のほか、沖縄移住の相談も合わせてできます。
沖縄のIT企業の話が直接聞けるオンライン企業説明会を随時開催しているので、転職を考えている人の情報収集の手段としてぜひ活用してみてください。
沖縄県福祉人材研修センター&名護市福祉人材バンク
福祉分野の無料職業紹介事業を行っています。センターでは本島中南部・宮古・八重山地区の求人を取り扱っていて、本島北部地区の求人は名護市福祉人材バンクで取り扱っています。
福祉の仕事への就職を希望する方や福祉に関心のある方、福祉の現場で働いた経験のある方を対象に、福祉の職場説明や面接会等を行い、職場見学ツアー等を実施しています。
沖縄バイオ人材マッチングサイト
>>https://okinawa-biojinzai.com/
沖縄県のバイオ系ベンチャー企業等に関心のある人向けのサイトです。
沖縄県内に事業所のあるバイオ系企業・大学・研究機関等からの「求人情報」、県内のバイオ系法人への就職を希望する個人からの「求職情報」を掲載するバイオ系人材のポータルサイトになります。
民間の求人サイトもありますのでこちらも参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまで沖縄本島で暮らすメリット5選・デメリット5選、そして新たに沖縄で仕事を探す人に向けて就職を支援している公的な機関や施設をご紹介しました。
「自然が豊かな環境にあこがれて沖縄へ移住したものの、実際に暮らしてみると後悔ばかりしてしまう」というような残念な結果にならないよう、移住前のリサーチは非常に重要です。
成功するかどうかの鍵となる「収入源の確保」について、現地での就職を検討している人だけでなく、今の仕事をリモートで続けられる人や起業を考えている人もぜひ移住する前にしっかりと沖縄の状況を調べておきましょう。
沖縄県地域・離島課が主催の「沖縄移住相談会」など、各地で沖縄移住の説明会や相談会が開催されていますし、就職フェアや企業合同就職説明会なども開催されていますので、積極的に参加して情報収集することをおすすめします。
可能であれば、ぜひ実際に沖縄を訪れてリアルな情報を集めてください。
沖縄の慣習も地域によってさまざまなのではじめは戸惑うこともあるかもしれませんが、沖縄の文化や慣習を理解し自分から歩み寄ることが沖縄移住を成功させるポイントです。