「地方移住をしたいけど、何から始めればよいかわからない…」「興味はあるけど何をすればよいか分からない…」といった悩みをお持ちの方もいるでしょう。
この記事では、地方移住に向けて考えたいことや進め方の手順などを解説します。
記事の最後では地方移住の準備において活用したいお役立ち情報もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
地方移住に憧れる!どうやって進めたらいい?
地方移住に憧れるものの、「具体的にどのように進めればよいか分からない…」という方も多いでしょう。
ここでは、どのように進めればよいのか4つのステップに分けてご紹介します。
ステップ1:どんな場所に住みたいか考える
漠然と「地方移住」とはいっても、どんな地方に住みたいかをよく考える必要があります。
移住場所を考えるうえで重要な二つのポイントをご紹介します。
一つ目のポイントは、利便性と自然の豊かさの度合いです。
おそらくみなさん、今よりも自然が豊かで、山や海を身近に感じられる生活がしたいと考えているのではないでしょうか。
移住を考え始めるきっかけとして、自然環境の豊かさを第一の理由・目的にあげられる方は非常に多いです。
一方で自然が豊かな地域は、公共交通機関や商業施設といった生活面のインフラ・利便性に劣るという傾向もあります。
自然の良さを享受しながらも、どの程度の不便さを許容できるのか。
逆に言えば、自分の生活にはどのようなものが不可欠か。
このような観点で検討してみることをおすすめします。
もう一つのポイントは、現在住んでいる地域や、実家のあるエリアとの距離感です。
例えば現在首都圏に住んでおり、知り合いが多いので首都圏から離れすぎない方が良い。
または、両親が住んでいる実家まで何時間以内にアクセス出来るところが良い。
こういった移動の距離や時間というのも、移住先を検討する上で大切なポイントになります。
ステップ2:どんな暮らし・働き方がよいか考える
移住したい場所のイメージができてきたら、次に暮らし方と働き方を想像してみましょう。
1日のスケジュールや、平日・休日の過ごし方をイメージすると良いかもしれません。
例えば、現在は通勤時間が片道1時間かかるため、朝早く起きて家を出て、夜遅くに帰ってくる生活。
移住後は、車で30分ほどで通勤できる職場に変え、その浮いた分は家庭菜園や運動する時間にあてたい…といった具合です。
あるいは、仕事をがらっと変える(例:会社員から、自営業へ)、住環境を変える(例:賃貸アパートから、購入した一戸建てへ)ということも考えられます。
ステップ3:情報収集をはじめる
生活と仕事について考えが整理できたら、必要な情報を集め始めます。
移住先候補地がどんな場所なのか、住宅はあるのか、どんな仕事が多いのか…。
情報収集のポイントは、雰囲気がつかめる情報(定性的なもの)と、具体的な数字が現れる情報(定量的なもの)の両方を集めること。
定性的な情報とは、そこに住んでいる人がどんな風に感じているか、といった口コミや事例からわかります。
定量的な情報は、統計データや具体的な物件情報・求人情報などから得ることができます。
どちらかに偏らないように心がけましょう。
後述しますが、インターネットや書籍、イベントなど様々な方法があります。
ステップ4:現地を見学したり人と会ってみる
さて、たくさん情報を集めただけで満足してはいけません。
百聞は一見に如かず。
実際に自分の目で現地を見たり、住んでいる人にお話を聞いたりしながら、地域のリアルを体感しましょう。
観光気分ではなく、「自分がここに住むとしたらどうか」という目線を忘れずに現地を歩くことが大切です。
思っていたよりも夜が暗かった、朝晩の冷え込みが強かった、方言が優しい感じがした、など実際に訪れないとわからないことがきっとたくさんあります。
移住の決断までに、一度だけではなく季節を変えて何度か訪問することをおすすめします。
地方移住で気をつけたいこと
移住に向けたステップをここまで解説してきましたが、その過程で特に注意した方が良さそうなことを紹介していきます。
「デメリット」や「嫌いなこと」にも向き合う
まずは、移住のよくない側面にも目を向けること。
楽しみと思うあまり、理想や良いイメージばかりふくらんでしまうことが多々あります。
しかし多くの場合、メリットとデメリットは表裏一体。
たとえば森や川が身近な環境は、気分が安らぐ一方で、湿気がこもりがちだったり虫が発生しやすかったりします。
また温かい交流のある田舎の集落では、悪気なくプライベートを詮索されるようなことも。
心の準備や、自分の価値観と照らし合わせて我慢ができる範囲なのか、といった検討が大事になります。
焦って大きな決断をしない
気軽な気持ちで立ち寄った不動産会社。
偶然紹介されたログハウスの素敵な雰囲気に一目惚れ。もう無いかもしれない掘り出し物、買わなければ後悔するかもしれない…。
運命的な出会いにも思えますが、一歩立ち止まって考えましょう。
知らない土地に移住するということは、それだけでリスクがある行為です。
物件や求人情報はその場限りの出会いということも多くありますが、決断して後悔しないだけの準備ができているか、まずは賃貸で住んでみるといった代替手段を取ることができないか、冷静に振り返ってみることも必要です。
収入と支出の変化を想定しておく
移住をしたけれど失敗だった、元の生活に逆戻り、という事態は避けたいもの。
その大きな原因の一つが、生活が立ち行かなくなるというものです。
地方移住をすれば、都会暮らしよりも家賃や生活コストが下がることがほとんどですが、一方で追加でかかる費用が発生する(例:自動車関連費用や光熱費)、転職などに伴い収入が下がる、といったことが考えられます。
生活の基本である支出と収入の変化について事前に想定しておき、一時的にバランスが崩れる場合にはその期間分の貯蓄をしておくなど、対処法を準備しておきましょう。
地方移住に役立つトピックス
最後に、地方移住の準備において活用したいお役立ち情報をご案内します。
相談窓口やお試し施設
まずは、自治体などが提供する相談窓口。
多くの自治体、非営利団体、あるいは民間企業などが移住相談窓口を設けています。
代表的な施設として、東京都にあるふるさと回帰支援センターがあります。
ほとんどの場合は無料で相談や情報収集が可能なため、積極的に活用しましょう。
また、現地での暮らしが体験できる「お試し住宅」なども自治体により設置されています。
事前相談をすれば格安で利用できることもあるので、計画的に活用するのがオススメです。
補助金や支援制度
全国の自治体で、多種多様な移住に関する支援制度が用意されています。
代表的なものとして内閣府が主導する「移住支援金」があり、こちらは東京圏から2人以上の世帯で移住した場合最大100万円が支給されるという制度(地域により諸条件あり)です。
ただし、移住をしたからといってすぐにもらえるといったものは少なく、様々な条件があります。
また、対象者が限られていたり、手続きを経て支給されるのは数ヶ月後…ということがほとんどです。
補助金をあてにして移住を進めるのではなく、地方移住にあたって適用される制度があったら漏れがないように準備をしていく、という活用方法がオススメです。
移住情報が豊富なWEBサイト等
「これから地方移住の情報を集めよう!」という方におすすめのメディア等をいくつか紹介します。
・内閣府 いいかも地方暮らし(WEBサイト)
https://www.chisou.go.jp/iikamo/index.html
・ニッポン移住・交流ナビ(WEBサイト)
https://www.iju-join.jp/
・WEBマガジンFurusato(WEBサイト)
https://www.furusato-web.jp/
・TURNS(雑誌・WEBサイト)
https://turns.jp/
・田舎暮らしの本Web(雑誌・WEBサイト)
https://inakagurashiweb.com/
このほか、自治体や団体が主催する「移住セミナー」「田舎暮らし相談会」「オンライン移住ツアー」なども多数開催されているので、興味のあるテーマがあれば参加してみても良いですね。
以上、地方移住をこれから検討したい方に向けた準備のステップやお役立ち情報をご案内しました。
みなさんが思い描くライフスタイルによって大切なポイントは様々ですので、ぜひご自身でじっくり考えてみてくださいね。