栃木県の南西部に位置する足利市。
見応え抜群な藤棚とイルミネーションが人気の「あしかがフラワーパーク」や、日本最古の大学として名高い「足利学校」などの観光名所が存在する、都心からの小旅行にもってこいな街です。
そんな足利市は、移住先としても魅力的な場所だということをご存じですか?
今回は、実際に東京都内から足利市に移住した私の体験をもとに、足利市への移住のメリットやデメリット、自治体による支援策などを紹介します。
移住先を検討中の人はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
移住のきっかけ
私が足利市に移住したのは28歳の時です。もともと都内で新聞記者として働いていましたが、市内に住む交際相手との結婚をきっかけに移住しました。
東京ほど栄えていなくても生活に必要なお店は十分にあり、何よりも落ち着いて暮らせるのどかな雰囲気が気に入っています。
結婚する前からよく現地を訪れていたため、実際に住むことになった場合のイメージはしやすく、移住についてはすんなりと受け入れることができました。
移住を検討するうえでは、事前の現地訪問は欠かせません。
可能であれば、時季を変えて何度か訪れることをおすすめします。
特に、夏場と冬場の気候や過ごし方は要チェック!
移住を後悔しないためにも、生活者目線でじっくりとリサーチしましょう。
足利市に移住して感じたメリット3選
続いて、足利市に移住して特に魅力を感じた点をご紹介します。
メリット1.自然が身近でアクティブな趣味に最適
足利市は、自然を満喫しながらアクティブな趣味を楽しむのにぴったりな街です。
足利市は関東平野の北端にあたり、市の北部には緑豊かな低山が広がっています。
キャンプや川遊びができるスポットも多く、休日のリフレッシュに最適です。
街中からアクセスしやすい登山道やハイキングロードが点在しているのも特徴。
行楽シーズンになると、山歩きを楽しんだあとに街中を散策する人々をよく見かけます。
実は私もその1人。
生粋のインドア派でしたが移住を機に登山を始め、すっかりその面白さに目覚めました。
また、市内を流れる渡良瀬川沿いの土手には、サイクリングロードも整備されています。
川沿いの景色を眺めながら自転車で走る爽快感は格別ですよ。
メリット2.通勤のストレスが少ない
都内で働いていた頃に比べ、通勤にかかる時間やストレスが格段に減ったことも大きなメリットです。
移住前は、満員電車に揺られながら1時間近くかけて会社に通っており、ただでさえ人混みで窮屈なのに、電車が遅れたり途中で停まったりしてイライラすることも多く、通勤だけで疲れてしまう日々を送っていました。
私は現在、育児をしながら在宅で働いています。
移住してからしばらくの間は市内の会社でパートをしていましたが、通勤時間は車で5分。
朝は家事を済ませてから出発し、お昼休みは自宅に戻って昼食を食べる余裕までありました。
もちろん、足利市内でも通勤や帰宅で交通量が多い時間帯になると軽く渋滞することはありますが、満員電車のストレスに比べると微々たるものです。
メリット3.子育てがしやすい
足利市は、子育てがしやすい環境も整っています。
保育施設が充実しており、2023年4月時点で待機児童数はゼロ。
共働きのママやパパにとっては心強いですよね。
また、街中にも大きな公園が複数あるので、私も子どもを連れてよく遊びに行っています。
先述したように自然が身近なため、子どもがのびのびと遊べる場所も豊富なのが子育て世帯には嬉しいポイントです。
市による経済支援には「18歳の3月末まで医療費が原則無償」「3人目以降の子どもへの出産祝い金(10万円)」などがあり、その他にも予防接種のスケジュールを自動計算したり、医療機関を検索したりできる独自の育児支援アプリをリリースするなど、さまざまな面から子育て世代へのサポートに力を入れていると感じます。
足利市に移住して感じたデメリット2選
一方で、足利市に移住してから苦労や不便を感じた点もあります。
デメリット1.車がないととにかく不便
個人的に一番苦労したのが、車の運転に慣れることでした。
栃木県は、2023年3月末時点で1世帯当たりの自家用車の保有台数が1.563台と、全国第5位。
全国でも屈指の車社会で、自家用車なしでは生活が成り立ちません。
当然、燃料代や整備費などの維持費もかかります。
足利市内には、スーパーやドラッグストア、病院などの生活に必要なお店・施設は一通りそろっていますが、あくまで自家用車での移動を前提とした距離感で立地しており、密集しているわけではありません。
電車やバスなどの公共交通機関は本数が少なく、はっきり言って使い勝手は悪いです。
私は学生時代に免許を取得したきりのペーパードライバーだったので、移住してしばらくは車の運転を避けていました。
買い物などは多少無理をしてでも自転車や徒歩で済ませていましたが、じきに限界を感じてギブアップ。
毎日少しずつ練習し、今ではなんとか問題なく運転できるくらいには上達しました。
逆に言えば、車の運転さえできれば不自由はしません。
お店の駐車場は広く、市街地には市営の無料駐車場も充実しています。
車をすでに持っている人や運転が苦ではない人にとっては、特に気にならないデメリットだといえます。
デメリット2.商業施設や娯楽が少ない
日常的な買い物には不便がありませんが、休日にショッピングを楽しめるような商業施設や娯楽施設は少ないです。
大型のショッピングモールなどは近隣の市まで行かないとありません。
休日には娯楽を求めて市外に出ていく人が多いようで、市内は閑散としてしまう印象があります。
都内にいた頃は、特に目的もなく街中や駅ビルをぶらぶら歩き、面白そうなお店やお洒落なカフェを見つけたらふらっと入ってみる楽しみがありました。
それがなかなかできなくなってしまったのは、正直物足りないと感じることもあります。
充実した移住サポート
㈱宝島社が移住希望者向けの月刊誌で発表した「住みたい田舎ベストランキング(2023年版)」によると、足利市は子育て世代部門と若者世代・単身者部門の2部門で、北関東エリア第3位に輝きました。
市ではさまざまな支援策を取りそろえ、移住希望者を手厚くバックアップしています。
その一部をご紹介しましょう。
参照元:最新【公式】2023年版 第11回「住みたい田舎ベストランキング」で「旬の移住適地」がわかる!|田舎暮らしの本web
移住支援金
東京圏から世帯で移住すると100万円、単身だと60万円が支給される制度です。(※栃木県の補助事業)
18歳未満の子どもも一緒に移住する場合は、子ども1人当たり100万円が加算されます。
子育て世帯にとってはとてもありがたい制度ですね。
参照元:世帯で移住すると100万円(子育て加算あり)!単身で移住も60万円!移住支援金のお知らせ|足利市ホームページ
IT移住支援金
足利市では、IT業界での経験や知識を生かし、地域課題の解決に協力してくれる人材を募集しています。
IT移住支援金は、東京圏から移住したIT業界の人材に、1世帯当たり20万円を支給する制度です。
都内の会社での業務をテレワークで続ける場合も対象となるため、多様な働き方の後押しとなりそうですね。
参照元:IT業界の方へ!足利市への移住で20万円支給!【R4.4.1スタート】|足利市ホームページ
足利市通勤補助金
こちらは2023年度から始まった支援策です。
仕事で東京圏に通う人に、通勤で使った特急料金やグリーン車料金の半額を支給最長で3年間、通勤補助金がもらえます。
ただし、1ヶ月あたり1万円の上限があるので注意してください。
まとめ:駅ナカの「移住相談窓口」もぜひ活用を
足利市では、東武伊勢崎線の足利市駅の構内に移住希望者向けの相談窓口「En no sita – 燕のした」を設置しています。移住へのサポートや住み心地などについて、観光がてら気軽に相談することもできますよ。
豊かな自然と情緒ある街並みが共存する足利市は、のんびりと落ち着いた暮らしを送るのにうってつけの街です。
ぜひ一度遊びに来て、その魅力を味わってみてくださいね。