私は2022年2月に神奈川県海老名市から福井県高浜町に移住しました。
2年にわたり地域おこし協力隊として活動してきましたが、任期を終え、2024年2月に卒業します。
この記事では、福井県高浜町の地域おこし協力隊の活動内容や、卒業後の進路についてお話していきます。
地域おこし協力隊へ転身したきっかけ
協力隊として活動しようと思ったきっかけは以前勤めていた会社の後輩が茨城県で地域おこし協力隊として活動しているのを知ったことです。
もともと地方でのビジネスに興味があり、大学卒業後は神奈川県を中心に発行している新聞社に就職しました。
入社後は、取材から撮影、編集、広告営業と幅広い業務に従事。記事や営業成績でMVPも受賞できるようになり、次のステージに進もうと転職を決意しました。
そこで、WEB系をメインに扱っている広告代理店に転職し、紙媒体の広告だけでなく、SNSの広告運用などを学びました。
その後、作家業やライターとして勤務していましたが、「地域おこし協力隊」という制度を知り、活動拠点を探し始めました。およそ20の自治体に実際に足を運び、自分の目で見てきて、福井県高浜町に移住することを決断しました。
活動内容
広報誌のフォトライター
広報たかはまの写真
移住後、町の広報誌のフォトライターとして着任しました。具体的な業務内容は、ネタ出しから取材、撮影、編集です。
地域の伝統的なお祭りや保育所の運動会、はたちのつどいや落成式などの式典、イベントなど取材対象はさまざま。行政担当者と綿密に打ち合わせを行い、取材に向かいます。
デザインや記事の構成、写真の配置などは基本的に自由なので、読者がより楽しい・より読みやすい記事にしようと試行錯誤しながら編集業にあたっていました。また、私自身をPRするために、企画コーナーを作り、不定期ながらも2年間掲載してきました。
そういった地道な活動が功を奏したのか、顔を覚えてもらえることが増え、今となってはよく町中で声をかけられるようになりました。
記事の編集だけでなく、広報誌の顔ともいうべき表紙の撮影も重要な仕事です。
記事にする現場での撮影はもちろん、表紙用にイベントや季節に合った行事などにも積極的に足を運びました。この仕事のやりがいは、なんといっても読者からの反応があることです。
取材した方からの声はもちろんですが、取材対象者の知人の方からも「あの記事良かったよ」「すごく楽しい記事だった」などとお声をいただくことがあります。
自分が取材をしたことで、人が輝くことができるというのはフォトライターとして活動している上でこの上ない喜びになっています。
事務所の広報
フォトライターとしての業務のほか、私が所属していた事務所の活動の広報も行っていました。
活動拠点となる事務所では、写真や絵画の展示、ハンドメイド作品の販売、ワークショップ、イベントなどさまざまな活動を行っているため、HPの制作やSNSの運営管理などにも尽力してきました。
更新が滞っていたHPのレイアウトをがらりと変更し、完結にどの年代の方にも見やすくなるよう工夫をしました。
また、ワークショップなどの参加申し込みが電話受付のみだったものをWEB上からも申し込みできるようにするなど、幅広い年齢層の方に身近な存在となれるようにシステムを作るなど、これまでの仕事の経験を生かし、アナログだけでなくデジタル面の強化にも努めました。
SNSはX(旧Twitter)とInstagram、Facebook、公式LINEなどの本格運用を開始し、情報発信には力を入れて取り組みました。
イベントの実行委員長
企画させていただいたイベント、お化け屋敷の中の写真
さまざまな活動の中でも印象的なものは、所属事務所が主催となった新たなイベントの実行委員長としての活動です。
これまでもイベントの運営に携わったことは何回かありますが、実行委員長として全体の統括を任されたのはこれが初めてでした。
大きく制作と運営とに分かれ、全体を管理しつつ、運営と人事、広報業務全般に従事していました。
運営面では全体の作業工程の管理のほか、イベント自体が滞りなく動くよう全ての立ち位置の動きのフォローなどを行い、人事面では求人活動とシフト管理など、広報面ではプレスリリースの作成、取材対応などを行っていました。
ラジオや新聞、テレビなど各種メディアにも積極的に出演し、自身の活動のほか、イベントの発信にも注力してきました。
このイベント以降、子どもから年配の方までさまざまな場面で声をかけてもらうことが増え、私自身はもちろん、地域おこし協力隊の認知度向上にもつなげることができました。
小中学校との交流
広報業務以外では、地域の小中学校との交流も積極的に行ってきました。
小学校では、クラブ活動の講師として毎月1回、学校に赴き活動をしていました。私は探偵クラブを担当。私が考えた謎を早押し形式で解答するというもので、イラストクイズやクロスワードなどクイズをさまざま用意し、クイズ大会を行いました。
学校全体を使ったクイズリレーなども企画し、子どもたちと密に交流を図ることができました。ただ、クイズを解くだけでなく、子どもたちにも謎を作ってきてもらい、みんなでクイズ大会を行ったり、高浜町に関する謎をみんなで出し合い、地元の人や本、ネットなどを駆使して謎を解き明かして発表をするなど、“探偵”になりきってさまざまな謎に挑戦しました。
中学校では、探究学習の講師として参加させていただき、高浜の魅力を盛り込んだカレンダーづくりを半年かけて行いました。カレンダーのデザインや写真の構図、撮影方法や時間などをアドバイスしながら打ち合わせを何回も重ね、完成させることができました。
WEBメディアのライター
地域おこし協力隊の活動を通して、他地域の隊員との交流も深まり、活動がきっかけで福井県内の魅力を発信するWEBメディアのライターとしての活動をするなど、「地域おこし協力隊」だからこそのつながりが仕事にもつながりました。
メディア露出も増えたため、他地域の方にも「新聞で見た」「テレビで見た」と言ってもらえることが増え、私自身が何者なのかを伝える際にも非常に役立ちました。そういったつながりからお仕事の話につながることも増え、地域外の場所との接点も増えてくるようになりました。
メインの業務となる広報業務以外にもSNSとHPの運営管理や学校教育、イベントの運営など幅広く業務にあたり、多くの方に名前と顔を覚えてもらうことができました。
地域おこし協力隊卒業後の進路
これまで活動していた高浜町の協力隊の多くは卒業後、定住して起業したり、協力隊の任期中にお世話になった場所で仕事をしていたり、行政機関などに就職したりとさまざまです。
しかし、一環して言えることはこれまで培ってきた人脈を生かして生計を立てている人が多いということです。
ちなみに移住当初、私は任期終了後の人生設計をそれほど考えていなかったのですが、卒業を機に私は高浜町を離れ、県内ではありますが、新しい場所で生活をスタートさせ、移住してから出会った方と結婚し、映像制作をメインした仕事をする予定です。
これまでの経験も活かし、県内全域をターゲットにして、活動していければと考えています。営業経験もあるので、広告営業などにもより一層、力を入れて今まで新規開拓ができていなかった面で仕事の幅を増やしていければと思っています。
また、これまでさまざまな仕事を経験してきたことを最大限生かして、福井県をより一層盛り上げられるようにしていきたいと考えています。
その一つとして、メディアミックスをより一層浸透させていきたいと思い、ラジオと映像、映像と記事など掛け合わせるからこそ生まれるものを一つでも多く生み出していければと考えています。形にしていくのは大変ですが、パートナーと共に福井県を盛り上げていきます。