TOP地域おこし協力隊地域おこし協力隊はやめとけ?元隊員が教える3つのアドバイス

    地域おこし協力隊はやめとけ?元隊員が教える3つのアドバイス

    岩手県で地域おこし協力隊を経験した30代男性です。地域おこし協力隊は最長3年継続できますが、私は2年で卒業しました。

    卒業後はフリーランスとして複数の事業に関わりながら、もうすぐ3年経つ今でも同地域に住み続けています。

    なぜ途中で辞めたのか、活動内容や気づいたことなど、メリット・デメリットについてお話しいたします。

    地域おこし協力隊参加のきっかけ

    私が地域おこし協力隊へ参加しようと思ったきっかけは「先に移住を決めていて、仕事を探していた」からです。

    参加を決める前から地域とのつながりがあり、年に数回は遊びに行っていました。そろそろどこかに移住したいと考えている時に、友人が関わっている団体で地域おこし協力隊を募集していると知り、応募しました。

    私が所属したのは、自治体から移住定住業務を受託している法人です。いわゆる『地域団体型』の地域おこし協力隊でした。

    その中でも、空き家バンクの管理・運営業務を担当していました。

    まず、物件を「売りたい・貸したい」所有者にヒアリングを行います。可能であれば、物件を見た後にヒアリングを行いました。物件の現状、空き家バンクに登録したい背景、希望の条件などを聞き、その内容を空き家バンクに掲載します。同時に、物件のストーリーや魅力的な点を紹介する記事を執筆します。

    あまり良い状態ではない物件がほとんどのため、「お風呂がない」「公共交通機関が通っていないのに、駐車場がない」「家財などが当時のまま置いてある」などネガティブ要素がたくさんあります。

    それでも契約者が現れるように、いかに「ポジティブ要素を伝えるか」が大切で、ここでライティングのスキルが身についたように感じます。

    次に、空き家を「買いたい・借りたい」希望者の問い合わせに対応します。主に移住者を対象としているのですが、たまに地域住民からの問い合わせもあります。

    空き家バンクを閲覧し、物件を指定した状態で問い合わせをいただく場合は、すぐに内見の調整をし、物件を見ていただきます。「移住したいから物件を探している」という状態で問い合わせいただいた場合は、まずは条件等をヒアリングし、希望に沿う物件を数箇所ご紹介します。

    その後、希望の物件が見つかったら契約になります。しかし、私は『宅地建物取引士』の資格を持っていないため、契約手続きができません。空き家バンクを登録する際に担当する不動産を決めておき、私がやることは「契約手続きのサポート」でした。

    空き家バンクの業務は楽しく、やりがいを感じていました。

    ではなぜ2年で辞めてしまったのか。

    それは「職場の環境が合わなかった」ことが一番の要因です。

    法人からは「結果を出せれば、自由にやっていい」と言われるのですが、やはり『地域団体型』なのでそうはいきません。

    自治体 → 法人 → 私、という構図ですので、新しいことを行うためには自治体の決済が必要になります。

    新しいことを思いつく → 法人に提案 → 自治体に確認、というフローが必要になるので時間がかかります。

    また、現状を可視化し、戦略を立て、法人へ理論的に提案をしても「色が違う」「思っていることと違う」などと言われ、自由にできないことが多くありました。当時は「何でだよ!」という気持ちが大きかったですが、今考えると入社して1年足らずの私に『信頼』が不足していたのかな、と思います。

    そのような「自由なようで挑戦できない」環境に嫌気が差して、2年での卒業を決めました。

    私が地域おこし協力隊として2年活動する中で良かったことを「移住前」「任期中」の2つの観点でお伝えさせていただきます。

    移住前

    「移住のハードルが下がる」ことが一番良かったと感じています。

    移住を決めた後は、仕事・住む場所など考えることがたくさんあります。地方は人材不足と言われていますが、給料がそこまで高くないことが多いです。

    しかし、地域おこし協力隊は特に問題がなければ「最長3年間」「活動の経費が最大480万円/年」が決まっており、国の事業なので安心感がありました。

    また、自治体や所属によって様々ですが、家賃やガソリン代、出張費なども活動の経費になりますので、生活費の負担が大きく下がるのもメリットの1つです。

    任期中

    いくつかありますが、中でも「地域おこし協力隊という肩書があるから、多様な横のつながりが生まれた」ことが一番良かったことです。

    地域おこし協力隊向けの研修会や地域づくりなどのイベント情報がたくさん届きました。また、認知度はあるけど実際に会う機会が少ない肩書であるため、見つけてもらいやすい状態でもありました。

    このつながりを活かして、卒業後に仕事を紹介していただいたり、一緒に事業をする方がいたりするなど、仕事の幅が大きく広がっています。

    地域おこし協力隊の注意点・デメリット3つ

    次は、逆の観点で注意点やデメリットだと感じることを3つお伝えさせていただきます。

    ① 受入自治体によって対応・条件・活動内容が全く違う

    インターネットで検索して分かることは、一例に過ぎません。受入自治体や受入団体によって地域おこし協力隊制度の活用の仕方はたくさんあります。良くも悪くも、ここでギャップが生まれているところをたくさん見かけます。

    同じ“空き家”というキーワードでも「移住定住なのか」「空き家の利活用(起業など)なのか」など自治体が求めていることが変わってきます。

    ② 活動の経費は「すべて自由に使える」と思ってはいけない

    先に述べたように、地域おこし協力隊1名につき活動の経費が最大480万円/年の補助があります。しかし「最大」なので480万円も用意しない自治体もありますし、給料・家賃やガソリン代の補助などは自治体によって金額が異なります。

    また、私の場合、卒業後や自分のスキルアップのために経費を使いたくても使えませんでした。

    卒業を見据え、空き家バンクに関係ないスキルを習得したいと法人に相談したら「その経費が法人にどんなメリットがあるのか」と言われ、経費にすることができませんでした。

    ③ やりたいことが明確にあり過ぎる人には向かないかもしれない

    地域おこし協力隊は「国からの補助金で、自治体が窓口」となります。どのような形態でも行政のルールや地域住民の目(税金が財源なので)があります。

    いくら地域おこし協力隊のミッションに沿っていても「できないこと」が出てくるので、やりたいことが明確にある人はやきもきすることが多くなると思います。

    地域おこし協力隊になりたい方へのアドバイス3つ

    たくさん書いてきましたが、私がこれから地域おこし協力隊になられる方に向けて伝えたいアドバイスを3つにまとめます。

    特に3つめは、移住を経験しないと気づかない観点だと思います。

    ① いきなり決めるのではなく、実際に行ってみて話すことが大切

    地域おこし協力隊の募集記事やオンラインイベントに参加してもいいことしか言っていません。「不動産は雨の日に見に行け」という言葉があるように、悪い部分や合わない部分は必ずあります。活動を長く続ける、暮らしを楽しむ、ためにはその「マイナスな部分」をどこまで許容できるかだと思います。

    もし時間やお金があれば、地域おこし協力隊の応募を決める前に、現地に行って数日過ごしてみてください。

    一番いいのは、地域おこし協力隊の先輩や卒業生に会って実情を聞くことです。募集内容に書かれていないことやズレを知ることができます。(例えば、毎週会議がある、「起業支援」と書いていても実は「起業を促すイベントの開催」を担当する、など)

    ② 「どんな活動か」より「どんな環境か」(特に人)

    これは一般企業でも言えることだと思いますが、楽しく継続するためには活動内容より環境の方が大切だと感じています。

    特に、地域おこし協力隊の制度を活用した年数が浅い自治体はズレが起きることが多いようです。制度がスタートして10年以上経ちますが、自治体によっては「2023年に初めて活用した」というところもあります。10年間活用している自治体に比べて不慣れなことも多いため、注意が必要です。

    また、地域おこし協力隊に対しての「地域住民の理解度」も大切だと思います。

    これは着任前ではなかなか見えない部分です。活動中にたくさんの地域住民の力を借りることになるのですが、私は「税金を使って楽できていいね」と言われたことがあります。

    私が言われたのはごく一部の方からですが、自治体の説明不足や先輩地域おこし協力隊が不祥事を起こしていると、悪く思われることが多くなるかもしれません。

    ③ 「地域を良くする」「定住してくれる」を期待されるプレッシャーがある

    これは②で書いた地域住民と逆で、地域おこし協力隊を受け入れてくれる・信頼してくれる地域住民からの期待です。

    とてもありがたいことではあるのですが「俺はこうした方が良くなると思うからこうやってくれ」と考えを押し付けられたり、1年目から「定住するんだよね?」「あなたは出ていかないよね?」と言われたり、行き過ぎた期待をかけられることもあります。

    地方なので人口が少なく、さらに目立つ肩書だからしょうがないですが、「注目される」ことを楽しめる方のほうが向いていると思います。

    アドバイスにマイナス要素が多くなってしまいましたが、地域おこし協力隊の制度をきちんと活用して、ミスマッチがなければとてもいい制度です。

    そして、ネットでは「良い事例」はあまり話題にならず、「悪い事例」の方が取り上げられやすくなっています。

    また、私は2年で辞めてしまいましたが、地域おこし協力隊中につながったご縁や空き家バンクの執筆で経験したライティング技術を活かし、今でも同地域に住み続けています。要は「地域おこし協力隊という制度をどう活かすか」だと思います。

    最後に

    最後に、卒業後についても少し触れさせていただきます。

    現在も同地域に住み続けながら、フリーランスとして複数の事業に関わっています。卒業後にフリーランスを選んだ大きな理由は「地方にある余白を埋めたい」という思いがあります。

    地方にはちょっとした仕事や短期間の仕事がたくさんありますが、働く人は安定的な雇用や継続的な仕事を求めていたりします。そこで、私がフリーランスとなり、様々な事業に関わることでその余白を埋めていき、地域がもっと回るようにしたいと考えています。

    また「なぜ複数の事業の話をもらえているか」という部分でいくと、地域おこし協力隊時代のご縁と経験が大きく関係しています。空き家バンクを運営する中で知り合った地域の方や空き家を活用して移住した方からの依頼、空き家記事を見ていただいた方からのライティングの依頼、などです。

    地域おこし協力隊として移住し、3年間でつながりと信頼を築いていくことで、卒業後に仕事の依頼や相談をしていただく存在になれると思います。

    まずは、ご自身が「どのような暮らしをしたくて、地域おこし協力隊という選択肢を選ぶのか」を明確にし、気になる地域に足を運んでみることをオススメします。

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