TOP地域おこし協力隊地域おこし協力隊の給料はいくら?財源はどこから?

    地域おこし協力隊の給料はいくら?財源はどこから?

    地方への移住を検討する際に、一番大きな問題としてあがるのが「仕事があるかどうか」。

    新型コロナウィルスの発生以降、リモートワーク環境がかなり普及してきたため、地方に住みながら都会の仕事ができるようになりました。

    しかし、リモートワークで働けるようなスキルを持っていない方も多くいます。そのような方々の移住のきっかけの一つとして地域おこし協力隊制度を活用する方が年々増加しています。

    地域おこし協力隊は実際にどれくらいの給料をもらえるのか、財源はどこが負担しているのかなど、お金にまつわることをお話します。

    地域おこし協力隊の成立背景と目的

    地域おこし協力隊は、総務省が2009年からスタートした地域活性化のための施策です。2022年度は6,000人以上の隊員が活動し、総務省は2026年までに現役隊員数を10,000名にすることを目標にしています。

    この制度は、人口減少や高齢化が進む地方の市町村で、地域の魅力を高め、新たな活力を生み出すために考案されました。主な目的は、外部からの人材を活用して地域の問題解決を図ることにあり、地域の文化や伝統を守りながら、新しいアイデアや地域資源の新たな価値を創造することが期待されています。

    活動内容や役割

    地域おこし協力隊になるための条件は自治体によって異なりますが、一般的には年齢や職歴、特定のスキルを要求されることがあります。活動期間は概ね1年から最長3年まであり、地域行事などにも顔を出しながら、地域住民と共に暮らします。

    隊員の活動内容は多岐にわたります。具体的には、地域の農林業支援、観光開発、地域イベントの企画・運営、地域資源の活用、教育や福祉のサポートなどがあります。

    これらの活動を通じて、隊員は地域の持続可能な発展に貢献し、住民との交流を深める重要な役割を担います

    地域おこし協力隊の財源について

    地域おこし協力隊の財源は、地方創生交付金(地域力創造グループ施策)の一部として、総務省から地方自治体に交付されます。地方自治体は、国からの財政措置に加えて、独自財源を活用して地域おこし協力隊の活動を支援することもあります。具体的には、研修費、住居費や交通費などの経費を負担することが含まれます。

    金額は、隊員一人あたり480万を上限とし、その内訳は以下のとおりです。

    ・報償費等…280万円(隊員のスキルや地理的条件等を考慮したうえで、最⼤330万円まで⽀給可能。その場合も活動に要する経費は480万円が上限)
    ・その他の経費…200万円(活動旅費、作業道具等の消耗品費、関係者間の調整などに要する事務的な経費、研修等の経費など)

    報償費について

    地域おこし協力隊の給料は自治体や担当するプロジェクトによって大きく異なります。最低でも月額15万円程度は支給されており、地域によっては25万円を超える自治体も存在します。

    金額は、プロジェクトの内容、雇用形態、月の稼働時間などによって左右されます。

    稼働時間については、週40時間(月160時間)のところが多いようですが、なかには週32時間(月128時間)や1日7時間×20日間(月140時間)など自治体によってさまざまです。稼働時間が短い分、給料も下がってしまいますが、副業や自分の時間を作りやすいメリットもあります。

    募集要項を見る際は、金額だけではなく稼働時間や副業についてなどの条件も併せて見ることをおすすめします。

    地域おこし協力隊の給料だけで生活できる?

    よく「給料だけで暮らしていけるか不安」というお悩みを聞きます。単身で移住するのか、家族で移住するのかによっても変わりますが、地方は都会に比べて生活コストは抑えやすいです。

    地方の方が家賃は安い傾向にありますし、駐車場は借りずに済むもしくは安い場合が多いです。空き家を借りて住むのであれば、もっと安くできる可能性もあります。また、物価も比較的安く、食費や日用品代も抑えることができます。

    さらに、生活費を「活動経費」として計上することで生活コストを抑えられます。詳しい内容については次章で説明いたします。

    その他の経費について

    その他の経費というのは、地域おこし協力隊の活動をする時に必要な経費のことを指し、一般的に「活動経費」と呼ばれているものです。

    主な活動経費には

    ・家賃補助:上限が定められていたり、公営住宅を用意されていることもあります
    ・旅費交通費:ガソリン代、車の維持費、車両のリース代など
    ・研修費:セミナーの参加、出張費など
    ・その他活動に必要なもの:作業道具等の消耗品費、関係者間の調整などに要する事務的な経費

    などがあります。しかし、どの経費が対象となるかは自治体によって異なります。

    活動経費は自由に使える?

    ここはよく勘違いされ、トラブルの原因になりやすいので注意が必要です。結論から言うと、基本的には自由に使うことはできません

    自治体によって、使用できる経費や上限金額は異なります。また、地域おこし協力隊として地域の団体や企業に所属することになると、さらにその所属先のルールがあります。卒業後の起業を見据えてスキルアップをするためにセミナー参加を希望した隊員が「そのスキルがうちの団体に何もメリットがないので、経費にはできない」と言われた事例が実際にありました。

    活動経費を「自分の裁量で自由に使える」と思わず、経費にしたいものがあれば早めに相談してください。

    地域おこし協力隊等の起業・事業承継に要する経費

    あまり知られていませんが、任期終了後の定住に向けたサポートもあります。隊員等の起業・事業承継に要する経費の財政措置(特別交付税措置)として、隊員一人あたり上限100万円を使用することができます。

    「隊員が早期から起業等の準備に着手できるようにすることで、円滑な定住のサポートを促進する」ことを目的にしています。

    ただ、注意点として以下の対象期間が設けられています。
    「任期2年目から任期終了後1年」に適用

    もちろん、任期1年目に辞めた場合は適用されません。また「知らなかった」という方でも上記の期間であれば遡って適用されますので、活動経費の領収書はきちんととっておきましょう。

    具体的にどの経費に使えるかどうかは各自治体によって異なります。パソコン、車両費、スキルアップを目的とした研修費などさまざまありますので、使用する前に所属する自治体に確認して活用するようにしてください。

    地域おこし協力隊の重要性と可能性

    地域おこし協力隊は、地方創生の重要な一環として、日本全国で注目されています。隊員は地域の活性化に貢献し、地域住民との交流を通じて新たな文化や価値を生み出す機会を得ることができます。

    また、この経験は隊員個人の成長にも大きく寄与し、将来のキャリア形成にも影響を与えることが期待されます。

    参加する前に、給料の水準、生活費やその他の経費、地域による経済的な違いを理解することがとても重要です。これにより、無理なく地域での活動を続けることが可能になります。

    とてもいい制度ですので「こんなはずではなかった」とならないためにも、経済的な側面の理解と準備を十分に行ってから応募してみてください。

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