「離島暮らしに憧れるけど、実際移住するとどうなの?」
「石垣島で毎日海を見ながらのんびり暮らしたい」
セミリタイヤやリモートワークが増えている今、石垣島での新たな暮らしを検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし旅行では良い思い出ばかりでも、移住して実際に暮らすとなると良い面ばかりではありませんし、不安も多いですよね。
この記事では石垣島に移住して10年以上暮らしてきた私が、自分の体験から石垣島に住むメリット・デメリットを解説しています。
移住後の暮らしがイメージできるよう住居や仕事、生活を中心に、移住を希望する方へのアドバイスも紹介しているのでぜひ最後までお読みください。
石垣島に移住したきっかけ
石垣島に移住を決めたのは、夫の鶴の一声でした。
2011年、東日本大震災の数か月後。仕事から帰ってきた夫が突然、「石垣島に移住するぞ」と宣言したのです。
当時2歳の長男と生後半年の長女を抱いていた私は唖然。
そもそも夫は、独身時代に毎年石垣島のリゾートバイトで夏を過ごすほどの石垣島フリークでした。
震災を機に「後悔しないように生きたい」「もっと家族との時間がほしい」という気持ちが高まり、移住を決意したようです。
その後、夫婦で話し合いを重ね「移住するなら上の子が幼稚園に入園する前に」という結論になったことから、我が家の愛知県から石垣島への移住計画が始まったのでした。
移住するにあたって大変だったこと、不安だったこと
リゾーとバイトで石垣島に何度もプチ移住の経験がある夫は楽天的でしたが、私は移住にあたって不安だらけ。
「住むところは?」
「仕事は?」
「子育て環境は?」
不安をクリアにする間もなく夫は退職の意思を職場に伝えてしまい、否が応にも移住に向けての準備が必要になりました。
行き当たりばったりな移住計画、皆様は決してマネをしないでくださいね。
情報はSNSで、移住の先輩からGET!
不安解消のための情報収集は、主にSNSでの友達作りから始めました。
石垣島のグループに参加し、移住している先輩方から石垣島での暮らしや移住にあたってのアドバイスをもらい、現地のリアルな情報をGET。
そこで島でのナチュラルライフを楽しむ諸先輩方の様子から、流されやすい私は徐々に移住に前向きになったのでした。
引越し費用は200万円!?離島への引越し荷物は船の旅
住んでいた賃貸マンションの退去も決め、いざ引越し業者に見積をお願いしました。
しかし見積金額は、まさかの200万円!
なんでも石垣島をはじめ離島への引越し荷物は船便になり、どうしても割高になるそうです。
しかも時期によっては、荷物を依頼してから到着までに2〜3週間かかるとのこと。
大手の引越し業者にいくつか見積をお願いしたのですが、石垣島には支店がないため現地での搬入作業は島の別業者に委託しているそうです。
その時点ではまだ石垣島の住居が決まっていなかったこともあり、引越し業者を使わずに大きな家具はすべて手放し、最低限の荷物だけを宅配便の局留めで送ることにしました。
物件はどうやって決めたのか?
なんと我が家は、住居も決めずに石垣島に移住しています。
住んでいた家を引き払い、家具も手放し、ほとんどの荷物は郵送で局留め。
着の身着のままともいえる最低限の旅装で石垣空港に降り立ち、荷物が届く2週間以内を目途に物件を探し始めたのでした。
ホテル暮らしで不動産めぐり「地元の保証人が必要です」
夫は独身時代の数年間、石垣島のリゾートバイトで夏を過ごし、冬は日本全国好きな地域で主にアパート暮らしという生活をしていました。
そのため石垣島での物件探しも簡単だと考えていたようです。
しかし、ここで大きな壁が立ちはだかりました。
なんとどこの不動産会社に行っても「地元の保証人は付けられませんか?」とやんわり契約を断られてしまうのです。
石垣島に暮らしていても移住者では保証人にはなれないとのことで、地元の方に伝手がなかったので本当に困りました。
大手不動産会社なら保証会社を付ければOK
複数の不動産会社をまわったり移住している先輩方に相談したりして、全国展開している大手の不動産会社なら「保証会社を付ければ保証人なしでも大丈夫」と分かりました。
保証会社の審査が必要ではあったものの、なんとか期限内に保証人なしでアパートを契約・入居できて一安心。
しかし賃貸の一軒家を希望していたのに、選択肢が一気に狭まり、アパート一択になってしまったのは残念でした。
移住を決めてから約半年後、こうして我が家は石垣島に住処を移したのです。
仕事はどうしたのか?
石垣島は人手不足の中小企業が多いため選ばなければ仕事はありますが、就業環境や条件はあまり良いとは言えず、給料も低め。
そのため子どもを0〜1歳から保育園に預け、共働きをする家庭が大半です。
夫は移住当初は運転代行、車の修理工など職を転々としていましたが、今は個人経営の土産物屋をしています。
本州と比べると地元企業は就業環境が厳しく、仕事の関係で石垣島に来た方以外ではカフェ経営など起業する方も多い印象です。
私自身もリゾートスパで働いた時期もありますが、地元での就業に比べると賃金と労働条件がミスマッチに感じてしまい、第3子の妊娠を機に退職。
その後は、在宅でできるフリーランスに切り替えました。
石垣島に移住してわかった、よかった点
私が石垣島に移住してよかったと感じている点はこちらです。
- とにかく海が綺麗
- 自然の中で子どもたちがのびのび遊べる
我が家はオーシャンビュー物件なので、リビングの窓から海が見え、海まで徒歩30秒です。
窓からキラキラ輝く青い海を眺めたり、夕方の涼しい時間に海沿いを散歩したときに「石垣島に住んでよかったなぁ」としみじみ感じます。
また自然が豊かなので、子どもたちと磯遊びや山遊びなど、自然に触れながらのびのび遊べる点も魅力です。
上の子たちが中学生になりあまり親と遊んでくれなくなってきた今、子どもたちが小さいうちに石垣島に移住して正解だったと思っています。
石垣島に移住してわかった、いまいちな点
反対に石垣島に移住して感じたデメリットはこちらです。
- 塩害・台風:自然には勝てない
- 教育面が心配、子供の進学を機に島を出る移住仲間も
- 医療は大きな問題。老後の移住は難しい
我が家は海が目の前ということもあり、外にある車はもちろん、窓を開けておくとテレビなどの電化製品まで塩害ですぐに錆びてしまいます。
さらに、台風が起こると通過後にも海が荒れて物流が止まり、品不足で紙類や野菜、ガソリンの価格が高騰してひと月近く生活に影響がでることも。
また子どもが小さいうちは良いですが、中学生・高校生くらいになってくると教育面も気になってくるため、子どもの進学を機に地元に帰る方も多いです。
なにより医療はかなり不安で、県立の総合病院はあるものの離島の医師不足が社会問題となるほど…。
そのため持病のある方や高齢になってくると、石垣島での暮らしは厳しいと思っています。
石垣島に移住したい方へのアドバイス
これから石垣島への移住を考えている方に、私からのアドバイスはこちら。
- 移住前に貸別荘や民泊で長期滞在し、移住後の生活をシミュレーション
- 仕事の都合での移住以外は、リモートワークやネットを利用した収入手段があると安心
- 単身でのプチ移住を希望するならリゾートバイトがおすすめ
- 通院の予定があるなら島の医療で対応できるか要チェック
- いつでも移住をやめて帰れる状況にしておく
事前に住居を決めておいたり、収入手段を確保しておくことはもちろん、事前に長期滞在して地元の方と交流しておくと移住がスムーズになるでしょう。
また単身者の場合は、寮付きのリゾートバイトがおすすめ。
職場の方に保証人になってもらい、アパートを借りるといった人脈作りにも役立ちます。
子どもが小さい間や自分が若いうちなら良いですが、進学や医療の厳しい面があるため終の棲家とするには、よく検討を重ねた方が良さそうです。
なにより大切なのは、「いざ住んでみたもののどうしてもムリ!」となったときに帰れる場所を確保しておくこと。
移住してきて半年以内に島を出ていく方は本当に多いです。
注意点ばかりあげてしまいましたが、石垣島は自然豊かで優しい方も多く、のびのびと自由に生きる人々とも仲良くなれるとても素敵な島です。
石垣島への移住を決めた方は、ぜひ素晴らしい石垣島暮らしを楽しんでくださいね。