みなさん、こんにちは!
「移住.net」編集部です。
今回は、お笑い芸人の三瓶さんに「移住.net」早川社長よりインタビューさせて頂きました。
福島の高校を卒業後、東京に上京したのちにトルコへ移住した経験を持つ三瓶さん。
「面白そう」という自分の直感をもとに、自分の人生を自由に楽しむ三瓶さんの生き方は、移住を迷っている方にとって参考になるのではないでしょうか。
ぜひ最後までお読みください!
三瓶(さんぺい)
日本のお笑い芸人。
上京後、調理師学校にて調理免許取得後、22歳の時にバラエティー番組がすごく好きだったのをきっかけに芸能界へ行くことを決意。
吉本の劇場オーディションを受けたのち、養成所へ入学、NSC東京校5期生。
「三瓶です。」の自己紹介ギャグや、おもに自らの体型をネタにした「三瓶のちょっと面白い話」でブレイク。
その後、2018年に活動の拠点を出身地である福島へ。2019年にはトルコ・イスタンブールへの移住を発表し渡航するも2ヶ月で帰国。
早川諒(はやかわりょう)
「移住.net」運営会社、株式会社SoWiLL代表取締役。22歳で東証プライム上場企業に入社し、27歳で同社子会社社長に就任。
30歳で自己資本でセブ島で起業して、「0円留学」という留学スタイルの英語学校を設立し運営。4000名以上の卒業生を輩出する。
2020年より沖縄に移住して、現在沖縄に住居を持ちながら海外・国内の各地で事業展開中。
2023年、兼ねてより運営してきた移住.netの仕組みをプラットフォーム化して事業化。当移住メディアの運営もプロデュースする。
2023年4月、著書「最強のひと言」を出版。
1. 福島から東京へ上京したきっかけ
早川:まずは三瓶さんがお笑い芸人として活躍される前、専門学校に進学する際に、地元の福島から東京に上京されたいきさつから教えてください。
三瓶さん:当時は、「とりあえず高校を卒業したら東京に行こう」と。みんなが大学進学を考えるなか、僕は大学には行きたくなかったんです。
そんなとき、友達が調理の専門学校に行くと言い出して。調理師学校は一年なので、「とりあえず東京の調理師学校に行こう」という感じでした。
早川:そのお友達と一緒に進学されたのですか?
三瓶さん:そうですね。考えが甘かったんですが、そんなに大変では無さそうだと思ったんです。受験勉強もなく、手に職も得られそうという理由から、軽いノリで上京しました。
早川:東京に対する怖いイメージなどはありましたか?
三瓶さん:とても怖かったです。学校の面接試験で東京に出てきたときに、みんなが標準語を話しているのを聞いて「東京に来たな。都会だな。」と感じましたし、標準語が怖かったですね。
福島弁がとても恥ずかしくてあまりバレたくなかったので、上京して一ヶ月くらいは、なるべく人と話さなかったですね。
早川:そこから、どういう流れで吉本興業に入ったのでしょうか?
三瓶さん:調理師学校を卒業してから、パン屋でアルバイトをしていたのですが次第にマンネリ化してきたんです。そこで親から「25歳くらいまでは自分の好きなことをやっていいよ」と言われていたことを思い出して。
もともとバラエティー番組がすごく好きだったので吉本の劇場オーディションを一人で受けに行ったんです。そのときに周りを見たら、養成所を卒業している人がほとんどで。
それで養成所にきちんと通わなければと思いました。
早川:養成所に入学後、すぐに優秀者クラスに選抜されたと聞いてます。凄いですよね。
三瓶さん:一応クラス分けがあって、たまたま選んで頂いたという感じです。僕は‶思い出作り″で入ったので、自分から手を挙げる感じではなかったのですが、周りのみんなは「売れよう」といった積極性がある方ばかりでした。
そんな中で手を挙げないやつは珍しがられたんでしょうね。
早川:福島から東京に上京して、生活で困ったことはありますか?
三瓶さん:僕が上京したのは18歳のときだったのですが、ホームシックはあったものの、精神的なつらさは感じませんでした。
元々ドライな性格なので、ご近所付き合いなどもないあっさりとした東京での暮らしは、ちょうどよかったです。
早川:お仕事で地方ロケも多く行った中で、これまでに特によかったと感じた地域はありますか?
三瓶さん:ベタですが北海道や沖縄ですね。両方とも「遠くに来ているな」という感覚になるのがとても好きです。食べるのも好きなので、ご飯が美味しいのも魅力ですね。
早川:ちなみに地元、福島の魅力や好きなところはどういう所ですか?
三瓶さん:若い時には気付かなかったのですが、福島は時間がとてもゆっくりと流れているような感覚になりますね。
田舎の景色や、夏の夕方に水を撒いたりといった懐かしい風景もとても好きです。やはり都会は、みんな生き急いでいるような感じがするんですが、福島は人も温かく、ゆっくりと生きていると感じます。
2. トルコに移住したきっかけ
早川:そして、芸人として大活躍されていた中で、突如トルコに移住という、なかなかぶっとんだ決断をされたと思いますが、その経緯を教えてください。
三瓶さん:トルコ移住は、サッカー選手の長友さんから直接お誘いいただいたのがきっかけです。
僕は長友さんの奥さんである愛梨ちゃんと仲が良くて、最初は冗談で愛梨ちゃんから「旦那さんのシェフをやってみたら面白いのにね(笑)」と言われていました。それが数ヶ月後に長友さんから「僕のご飯を作ってくれませんか?」と本気でオファーされたという感じです。
早川:すごい展開ですね。
三瓶さん:調理師免許を持っていることや、愛梨ちゃんとも仲が良く、サッカーも好きなので「行ってみても面白いかな」という感じでトルコに行くことを決めました。
早川:オファーをいただいてから悩むことなく、すぐに決断されたのですか?
三瓶さん:それほど悩んでいないですね。こんな人生も面白いなと感覚的に思いました。
早川:その後、どれくらいの準備期間を経てトルコに向かわれたのですか?
三瓶さん:オファーを受けてから半年後くらいでしょうか。3月末までは仕事をきちんとやって、区切りよく4月1日くらいから、といった感じでした。
3. トルコでの生活について
早川:トルコに実際に行ってみて、どのように感じましたか?
三瓶さん:トルコの方は親日家なので、みなさんとても優しくて温かったです。現地は英語とは全く違うトルコ語で、最後まで分からなかったですが、「こんにちは」という意味の『メルハバ(Merhaba)』と言って笑っていれば、なんとなく乗り切れました。
こちらが言葉がわからなくても、向こうから話しかけてくるのですが、とにかく笑顔でいればなんとか乗り切れます。笑顔は世界共通だと思いましたね。
早川:笑顔は世界共通ってとても素晴らしいお話ですね。海外での生活自体が、人生で初めてですよね?困ったことはありませんでしたか?
三瓶さん:最初はやはり食べ物に困りました。お腹がすいたと思っても、コンビニがないので気軽には買い物にいけず、改めて日本はとても便利だなと思いました。
早川:ちなみにトルコのお家というのは、どんなお家だったのでしょうか?
三瓶さん:基本的には日本と同じような家ですね。僕は長友さんの家から自転車で15~20分程度の場所にお部屋を借りていただいたのですが、お風呂やトイレもあり、今住んでいる家よりも良い家を用意していただいていて、不便さは全く感じませんでした。
4. トルコ移住からたった2ヶ月で帰国!
早川:トルコに移住して、たったの2ヶ月で帰国されたというエピソードがありますが、この時のお話を教えてください。
三瓶さん:長友さんのサッカーのシーズンが終わるのが6月末だったのですが、その時に元々みんなで一緒に一時帰国する予定でした。
本来ならば7月か8月にまたトルコに戻る予定だったのですが、そのまま行かなかっただけです(笑)自分の中で「思っていたのと違うな」「嫌だな」とどこかで思っていたんでしょうね。これは自分の悪い癖なのですが、違うなと思ったらとにかく早いんです。
早川:そのことを伝えるとき、長友さんはどんな反応だったんでしょうか?
三瓶さん:長友さんからは「何かあったら何でも言ってくださいね」と言われていたのですが、僕はトルコに行って4日目には「なんか違いますね」と不安な気持ちを話して、「え?」とビックリされていました。
自分でも「早いな」と思ったのですが、そこからは耐えるのみでしたね。でも自分のなかでは、養成所に入った一年目の時よりもノートにメモをきちんと書いて、精一杯頑張りました。
早川:2ヶ月間耐えるのみはツライですね。
三瓶さん:当時はストレスから、夜中にウインナーをカリカリになるまで焼いてお腹いっぱい食べないと寝られない日々を送っていましたね(笑)
トルコでの生活は2ヶ月なんですが、僕の体感的には4年くらいに感じました。
早川:その後、実際に日本に帰国した際はどのような心境でしたか?
三瓶さん:日本に帰国してからは、「2ヶ月は早いな」と感じました(笑)こんなにも感覚が違うのかと思いましたね。でも今となっては、トルコでの2ヶ月も楽しかったなと思います。
早川:トルコから帰国後は、東京と福島どちらにいらっしゃったんですか?
三瓶さん:東京や福島、後輩の家にお邪魔したりとのらりくらりと生活していました。
その後、「タイのバンコクに1ヶ月住んで、トルコから2ヶ月で帰ってきたダメな大人がバンコクで鍛えなおされる」というお仕事もしました。バンコクで屋台を出して、日々の生活費や帰りの飛行機代を稼ぐといった内容だったのですが、大変でしたがとても楽しかったです。
バンコクにはプライベートでも行きたいくらいですね。
早川:普通に考えるとトルコ移住は失敗のように見えるかと思いますが、今ご自身で振り返ってみてどのように思われますか?
三瓶さん:後悔はないですね。むしろプラスになってありがたいなと思っています。
「移住したことがある。それがたったの2ヶ月。」という面白さも、オチもあるので、とても良い経験をしたと思いますね。
5. 移住を検討している方へのアドバイス
早川:では最後に、移住を検討している方に、三瓶さんの今までの体験からアドバイスをお願いします。
三瓶さん:移住を迷っているのであれば、国内、海外問わず、行った方が絶対に楽しいと思います。たとえ失敗したとしても、思い出として「行かなければよかった」とはならないと思うんですよね。行くことに意味があると思います。
人生一度きりなので、迷っているのであれば行った方がいいです。むしろ「行ってください」という感じですね。