みなさん、こんにちは!
「移住.net」編集部です。
今回は「モーニング娘。OG」として活躍後、バラエティー番組などマルチに活躍されている中澤裕子さんに「移住.net」早川社長よりインタビューをさせて頂きました。
結婚・妊娠をきっかけに自身の生き方を改めて見つめ直し、福岡への移住を決めた中澤さん。中澤さんが新たな場所で生活していく上で常に意識している考え方、仕事への向き合い方は、移住を検討している方だけでなく多くの方にとって参考になるのではないでしょうか。
生き方のヒント満載のインタビュー、ぜひ最後までお読みください!
中澤裕子(なかざわゆうこ)
1998年モーニング娘。オリジナルメンバーとしてデビュー。『LOVE マシーン』『恋愛レボリューション21』等のヒットナンバーに恵まれ、3年3ヶ月、リーダーとしてグループを支える。在籍時からソロとしても活動を開始し『カラスの女房』等をリリース。
2011年にはモーニング娘。OGメンバーでドリームモーニング娘。を結成。
約1年通して全国ツアーを周り、3月10日に日本武道館にて1日限りのライブを開催。
2014年、家族と共に福岡に引っ越しをし、福岡を拠点としたタレント活動を開始。
2016年には、福岡の民放全局でレギュラー番組を持つなど、福岡タレントとして活躍。
2023年にモーニング娘。デビュー25周年を迎え、代々木第一体育館のステージに立つ。
長男と長女2人の母親として子育てをしながら、福岡を中心としたタレント活動、そして歌手としても定期的なライブ活動も行なっている。
早川諒(はやかわりょう)
「移住.net」運営会社、株式会社SoWiLL代表取締役。22歳で東証プライム上場企業に入社し、27歳で同社子会社社長に就任。
30歳で自己資本でセブ島で起業して、「0円留学」という留学スタイルの英語学校を設立し運営。4000名以上の卒業生を輩出する。
2020年より沖縄に移住して、現在沖縄に住居を持ちながら海外・国内の各地で事業展開中。
2023年、兼ねてより運営してきた移住.netの仕組みをプラットフォーム化して事業化。当移住メディアの運営もプロデュースする。
2023年4月、著書「最強のひと言」を出版。
1. 現在の活動について
早川:今回は元モーニング娘。の中澤裕子さんに移住についてインタビューさせて頂きます!まず現在、福岡でどのような活動をしているのでしょうか?
中澤さん:私は2014年に福岡に移住して、朝の情報番組をメインに芸能活動しています。子供が二人いるので、お仕事と両立しながら、子供たちを中心とした生活を送っています。
2. 福岡へ移住することになったきっかけ
早川:福岡に移住することになったきっかけを教えてください。
中澤さん:夫は東京と福岡に会社を構えていて、今後は福岡を中心に事業展開していきたいという希望を持っていたんです。
夫から「一緒に福岡に移住してくれないか」と言われたのですが、最初は断りました。私自身、東京から離れることは全く考えていなかったんですね。
早川:そうだったんですね。そこから考えが変わった転機があったのでしょうか?
中澤さん:子供を授かったときに、ふと「自分は芸能活動を中心とした東京での生活をこれからも望んでいるのだろうか?」と思ったんです。子供が生まれ、今までのように自分中心の生活はできなくなると考えたときに、生活環境を変えても良いかも…と思いました。
早川:そこでご主人と話し合ったんですね。
中澤さん:「私の気持ち的に、今だったら福岡に行けるけど、このタイミングがずれたらもう福岡に行こうとは言わないと思う」と夫へ伝えました。夫が福岡に行きたいのは分かっていたので、「じゃあすぐに行こう」と。
早川:では、移住を決意したのはお子さんが生まれる前でしょうか?
中澤さん:はっきりと意識したのは、出産してからです。夫は出張が多く、あまり家にいなかったので妊娠中のときから家で一人で過ごす時間が長くて。
産休に入りお仕事が落ち着いた頃くらいから「私はこのまま芸能界を続けていくのか、続けていけるのか」などいろいろと考えていましたね。
でも心の中では、「環境を変えたい」「リセットしたい」という気持ちが強くありました。福岡は私にとっては縁もゆかりもない土地ですが、ゼロからまた始めてみるのも人生楽しいんじゃないかなと思ったんです。
早川:移住に向けてどのような準備をされましたか?
中澤さん:当時は東京でレギュラーのお仕事もあったので、事務所の方に仕事を調整してもらいました。引っ越しに関しては夫に任せ、住む家を実際に見ることもなく、どこに住むかも分からないまま福岡に出てきました。
早川:出産後、間もない時期ですし、大変ですよね…。
中澤さん:地理的にも福岡のことを全く知らず、さらに実際に移住したタイミングは子供が赤ちゃんだったので、事前に調べたり準備をする時間や気持ちの余裕が全くない状態でしたね。
もう「行ったらなんとかなるでしょう。」という気持ちでした。
早川:お仕事の調整も大変だったのではないでしょうか?
中澤さん:そうですね。でも、もし仕事がなくなっても、私には家族という心強い支えがあったので、これまでの生活は全て東京に置いて、本当に「ゼロから真っ白な状態で始めたい」という気持ちでやってきましたね。
早川:では福岡に移住することに対して不安は全くなかったのですか?
中澤さん:楽しみでしかなかったですね。「なんて私の人生ラッキーなんだろう!」と思っていました。
その当時、犬を2匹飼っていて、夫も不在がちで小さな赤ちゃんも抱えて、「私はこんな状態で生活できるのかな?いや、できるでしょう!」みたいな感じで、マイナスなことを全く想像していませんでしたね。もしそこで少しでも不安な気持ちや心残りなことがあれば、きっと移住はできなかったと思います。
早川:お話を伺うと、新しいことへのチャレンジを楽しめる精神面の強さが、芸能界でも長く活躍されてきた秘訣なのかと感じています。
中澤さん:移住って大変じゃないですか。引っ越しの費用もかかるし、新しい環境への適応や、人付き合いなどで悩むこともあるかもしれませんよね。
でもそういった部分に対してネガティブになるのではなく、むしろ「未知の世界に行ける」「これから新しいことが始まる」という感覚でした。芸能界にもそうやって飛び込んだところもあります。あとは家族がいて、一人ではないというのも心強かったです。
早川:芸能界に挑戦したときのような気持ちで、また福岡で新しい一歩を踏み出したという感覚なんですね。
中澤さん:はい。芸能界に入ったときと、福岡へ移住したときの気持ちは同じくらい大きな出来事だったと思います。
芸能界長く続けてきて、もう新しい経験はできないだろうなと思っていましたが、「まだまだあったな、またチャンスが来たな」といった感覚でした。
3. 福岡に移住して感じたこと
早川:実際に福岡に移住してみて、思った以上に大変だったことはありましたか?
中澤さん:知り合いやお友達、親戚など本当に誰一人として知っている人がいない環境に飛び込んだことや、娘がまだ小さかったこともあり孤独感はありました。
東京であればメンバーや事務所のスタッフさんと交流したり人との繋がりはあったのですが、福岡には事務所もなく赤ちゃんとずっと向き合っていたので本当に孤独という感じでしたね(笑)
早川:そんな状況から、どう人付き合いを広げていったのでしょうか?
中澤さん:ありがたいことに、すぐにお仕事をいくつか頂けたのでそこからですね。
東京だと、仕事のときはマネージャーさんや、長く一緒にお仕事をしているメイクさんやスタイリストさんなど、常に誰かしら一緒にいました。でも福岡では一人でスタジオに行って仕事をすることになるので、まず人見知りを直さなければいけないと思いました。
早川:えっ人見知りなんですね!正直意外です。
中澤さん:はい、知らない人とお話をするのが苦手なんですよね。これまではマネージャーさんを介してお仕事のやり取りをしていたのですが、すべて私一人でやらなければいけない状況になって「人ときちんとコミュニケーションをとらなければダメだな」と思いました。
早川:実際にどのようなコミュニケーションを心がけたのでしょうか?
中澤さん:基本中の基本ですが、テレビ局に入るときにはスタッフの方にも「中澤裕子です。おはようございます!」と、とにかく元気に挨拶をするようにしました。
本当に初心に帰った気持ちで、極力自分から話しかけるようにもしましたね。
早川:とても大切なことですよね。ただ、プライベート面では、芸能人ということで積極的に交流しづらいこともあったのではないでしょうか?
中澤さん:プライベートでも、子供を預かってくれる所への挨拶や、幼稚園の行事などにも積極的に参加しました。
最初は「この人見たことがあるな」といった空気感はありましたが、そんなことを気にしている場合ではないなと。「見たことがあるなと思ってもらえることがありがたい」と、自分から積極的に輪に入っていきました。
早川:福岡でも芸能活動をしていくにあたって意識したことはなんでしょうか?
中澤さん:「求められていることは何か?」を考えるようになりました。福岡では、街で声を掛けられて番組の感想を直接いただくんですよね。
視聴者さんとの距離が、東京よりもとても近いので、自分から溶け込んでいかないと福岡では受け入れて頂けないだろうと思いました。
なので、常に自分が求められているコメントを考え、空気を読み間違えないということはとても大事だなと思っています。どんな仕事でも、いくつになっても、やはり自己中心的になると人は近付いてきてはくれないな、というのは感じていますね。
4. 福岡の魅力について
早川:それでは、福岡の魅力を3つ教えていただけますか?
中澤さん:1つ目は、公共交通機関が充実しているところです。私が最も利用するのはバスなのですが、とにかくバスの本数や路線が多いので、交通がとても便利です。空港や博多駅へのアクセスも抜群にいいので、タクシーを利用しても金額が東京とは全く違います。とにかく安いし、便利で最高です(笑)。
2つ目は、食べ物ですね。海の幸も山の幸もとても豊富です。福岡は地産地消もとても充実しています。自然豊かな環境なので、実際に自分たちで食物を育てている方も多いのですが、知り合いやお友達が増えるとおすそ分けを頂くことも多くなりました。こうした人との繋がりもとても良いなと思います。
3つ目は、美術館や博物館などの施設の充実です。展示やイベントが常にいろいろな場所で開催されるので、大人も子供も年齢関係なく楽しめますね。子供たちの勉強の参考になるものも多く、夏休みや冬休みなども退屈しないと思います。親子のコミュニケーションもとれるのでとても良いと思います。
5. 移住を検討している方に向けて
早川:新しい環境に飛び込むときに意識していることを教えてください。
中澤さん:私は過去と「比べない」ことを意識しています。これまでいた環境や職場、人間関係や収入も含め、移住をすれば全てが変わるわけじゃないですか。
「こんなはずではなかった」と思うほどのことも起きるかもしれない心づもりで移住することが大事だと思います。全部がうまく回ると思って移住をして、挫折することもあるかもしれませんからね。
早川:実際に、予期せず色々なことが起きますよね。
中澤さん:でも、思ってもいなかったことが起こっても「これは想定内だ」と思って、どのように乗り切るかが大事だと思います。もう前に進むしかないし、ここを乗り切るのも自分しかいないわけですからね。
嫌なことがあっても、一生続くわけではないと思って、ポジティブに臨むようにしています。
早川:それも今までのお仕事から掴み取ってきた考え方なのでしょうか?
中澤さん:芸能界は競争社会なので、私も取り残されないようにしていますが、自分を見失わないようにして過去の自分や環境とは比べず、今の環境、今の全てを楽しむことを常に意識していますね。
早川:最後に、福岡に移住を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
中澤さん:私は福岡に移住して本当に一度も後悔をしていません。実家は京都府で、これまでに東京や大阪にも住んできたのですが、今は福岡で生涯を終えるつもりでいます。
福岡はそれくらい思える場所なんですよ。何も不安がらずに、同じ県民同士でコミュニケーションを取り合えるようになれたら嬉しいです。