「岩手県に移住を検討しているけど実際どうなの?」と不安に思っている人はいますか?
地方は仕事がないとか、移動手段がなくて住みにくいとか言われがちですが、実は住んでみると都会では味わえないたくさんのメリットがあるんです!
実際に【東京都→岩手県】へ移住した経験のある私が、岩手県へ引っ越しするメリットとデメリットを紹介します。
みなさんの気になる岩手県でのお金事情や、仕事・求人情報についても解説しますので、是非最後までお読み下さい。
岩手県に移住したきっかけ!移住は怖くなかった?
専門学校卒業後に東京都の企業へ就職していた私は、結婚をきっかけに夫の実家がある岩手県に移住しました。
私が実際に移住を考え始めた時の心境や、移住を決断したきっかけを紹介します。
移住するのは怖くなかった?
友人に「移住するのは怖くなかった?」とよく聞かれますが、もともと東北出身の私は怖いという思いは少なく、むしろ新しい生活に対するワクワクの方が大きかったです。
しかし、東京都でしていた広報の仕事にはやりがいを感じているところもあったので「会社を辞める」という点では寂しく、名残惜しい気持ちもありました。
移住を決断できたのはなぜ?
最終的には自分から「移住してみたい」と心から思えるようになったタイミングで移住を決断しました。
移住を検討するにあたり、東京都から何度も新幹線で岩手県に通う内に「岩手県と東京都は意外と近い」「新幹線で2時間もあれば行ける」ということを体感。
それまでは、なぜか岩手県と東京都は遠くて「引っ越したらなかなか出られない」という、田舎に閉じ込められる的な感覚があったんですよね。
何度も通っていると、静かな岩手県でゆったりとした生活を送りながら、時々東京都内へ行くというライフスタイルや、「都会と田舎両方の魅力を感じられる働き方はないかな?」と次第に移住へ前向きな考え方ができるようになりました。
岩手県に移住するメリット5つを紹介
岩手県に移住すると、金銭面や日々の生活で東京都では得られない様々なメリットが体感できます。
【メリット1】家賃が安い
私が移住して最初に驚いたのは、岩手県の家賃の安さ!同じ金額の家賃を出せば東京都より岩手県の方が圧倒的に広い家に住むことができます。
実際に今住んでいる2LDKのマンションも、私が東京都(杉並区)で一人暮らししていた1Kのアパートとほぼ同じ家賃!
岩手県で生活すると車の所有が必要不可欠になりますが、土地が広いので家賃に駐車場代が込みになっている物件も多い印象です。
【メリット2】物価が安い
食料品はもちろん、ガソリンや住居購入費用など物価が比較的安いのも岩手県に移住するメリットです。
中でも山や海の自然に恵まれた岩手県では、野菜や生鮮食品の物価がとても安いという印象。
住んでいる場所の近くで採れたものなので、輸送コストがかからず安価な上に、いつも鮮度の高いものが手に入るのはとても嬉しいです。
ちなみに、総務省による統計資料「消費者物価地域差指数(令和4年6月10日現在)」によると、物価水準が最も高いのは9年連続東京都で、岩手県は全国で17番目に物価が低い地域にあたります。
【メリット3】通勤ラッシュがない
東京時代は駅の混雑からの満員電車で、とにかく朝の通勤ラッシュがストレスでした。混み合う時間を避けるために、早起きして数本早い電車に乗ることもしばしば。
歩きながらコンビニコーヒーをすすったり、電車の待ち時間でメールチェックをしたりという毎日でした。
その点田舎は朝の通勤ラッシュがほぼありません。出勤時間帯に多少道路が混み合うことはありますが、そこまで渋滞することはなくスムーズに出勤することができます。
おかげで朝にゆっくりコーヒーを飲む時間も増え、朝活を楽しむことができるようになりました。
【メリット4】子育てがしやすい
移住して私が最も実感したのは、岩手県が大変子育てがしやすい街だということです。
私は移住後に岩手県で2人の子供を出産しましたが、思いつくだけでも下記のような待遇を経験しました。
- 保育園に入りやすい
- 子育て支援制度の充実
- 子育てに関する給付金の待遇
- 妊娠中〜出産までのサポート支援
- 家族以外にも子育てについて相談できる環境が整っている
- 自然が豊かで子供たちがのびのびと暮らせる
岩手県の議会でも毎年子育てに関する対策が取り上げられており、「子供が住みやすい街づくり」に対する対策がかなり進んでいるように感じます。
また、豊かな自然や住んでいる方々の穏やかな人柄は、子供の発達や発育にかなり良い影響を与えてくれていると実感しています。
【メリット5】自然が豊か
岩手県を含む、地方へ移住するメリットとしては豊かな自然も外せません。
私が引っ越した地域では、夜になると不要な明かりが全て消えるので、帰り道に空を見上げると満点の星空が美しく見えました。
夜お風呂に浸かっていると外から季節の虫の声が聞こえてきたり、朝は澄んだ空気と共に小鳥のさえずりが聞こえてきたり、大自然を身近に感じる生活は都会でなかなか味わうことはできません。
朝は自然と早起きになり、夜はゆっくりと眠る。昼夜や四季がはっきりと感じられる岩手県に移住して、生活のリズムがかなり整いました。
岩手県に移住するデメリット5つを紹介
岩手県への移住は、もちろんデメリットもあります。
特に岩手県内での移動手段やキャリア形成については事前に知っておかないと後悔することもありますので、これから書いてあることをよく読んでおいて下さい。
【デメリット1】公共交通機関が発達していない
岩手県は、住んでいる地域にもよりますが公共交通機関が都会に比べて発達していない印象です。
県庁所在地のある盛岡市は新幹線の発着もあり、比較的電車やバスの本数も多いですが、少し田舎に入ると「終電が20時前」「バスの往来本数が1日1桁未満」などザラにあります。
そのため基本的には1人1台車を所有していることが多く、通勤や買い物も車移動のことがほとんどです。
実際私も引っ越してから運転免許を取りに行きました。地方へ移住を検討している人は、早めに運転免許の取得を考えておくのがおすすめです。
【デメリット2】お出かけスポットや娯楽が少ない
東京都へ住んでいる時は少し足を伸ばせばいろいろなお出かけスポットや娯楽があり、休日は暇がないくらい遊んでいました。
岩手県へ移住してすぐは、行った事のない場所が多かったのでそれなりに楽しめていましたが、数年も経つと「行く場所がなさすぎる」「いつも同じ場所へ出かけてる」と思うことが増えました。
車で少し遠くまで足を伸ばしたり、SNSで楽しそうなイベントを検索したりして休日がマンネリ化しないように工夫して過ごしています。
【デメリット3】給料が安い
職種にもよるかもしれませんが、「地方は給料が安い」というのをデメリットに感じる人もいます。
厚生労働省ホームページに掲載されている「地域別最低賃金の全国一覧(令和4年度のもの)」を見れば、東京と岩手県では200円以上も最低賃金に差があることがわかります。
私が岩手県で務めていた企業では、その年の売り上げによって臨時ボーナスがあったり、頑張りに応じて昇給があったりと嬉しい待遇も多かったですが、やはり東京時代に比べると「給料は低いな」と感じることもありました。
しかし、その分物価や家賃が安いので、生活にかかる費用は東京都と大きく変わっていないです。
【デメリット4】選べる職種が少ない
移住するとまずは仕事を探し始める人も多いと思いますが、東京都に比べて「選べる職種が少ない」というのは覚悟しておきましょう。
求人票の更新は定期的にされているので、「仕事がない」ということはありませんでしたが、医療や介護関係の求人や製造業がメインでその他の職種は圧倒的に少ない印象でした。
仕事にやりがいを感じたい人や、キャリアアップを目指せる仕事につきたいと思っている方にとっては窮屈に感じるかもしれません。
一方で、地域密着型のベンチャー企業や個人で起業する人が増えている感覚もあります。地方ならではの新たな働き方に挑戦できるきっかけも意外と転がっていますよ!
【デメリット5】自由な働き方への理解が少ない
昔田舎の両親に言われた「安定した仕事につきなさい」という観念が、まだ岩手県でも残っている感覚があります。
私は現在フリーランスとして自宅で仕事をしているのですが、義両親や夫の兄弟からは「子供もいるのに仕事してなくて大丈夫?」と言われることもありました。
在宅ワークやフリーランスは「仕事していない」と同じだと思われてしまうんです。
働き方の多様性が広がっている今の時代にあった働き方ができる地域の環境が整っているのは事実ですが、地方ではまだまだ白い目で見られる機会が多い現実です。
今の時代SNSがあれば、いつでも世界中誰とでも交流することができるので、こういった場面に遭遇した時は外の世界と交流を持って自分のモチベーションを維持するようにしています。
岩手県に移住したら仕事はどうやって探したらいいの?
最後に、岩手県へ移住した時の職探しについて紹介します。
「仕事はあるの?」「すぐに就職できるの?」と不安な人も多いと思いますが、田舎=仕事がないというのは間違いなので安心してください。
岩手県での職探しは、①ハローワーク②求人サイト③紹介の3つがメインになりますので、それぞれ解説していきます。
【仕事の探し方①】ハローワーク
岩手県での仕事探しで最もやりやすいのが、ハローワークでの求人探しです。ハローワークは住んでいる自治体に必ずありますので、まずは1度足を運んで相談してみて下さい。
私も岩手県での最初の仕事はハローワークで見つけて応募しました。
初回は受付で求職申し込みの手続きを行い、早ければ当日中に今出ている求人を実際に見ることができます。
今岩手県にはどんな仕事があるのか、なんとなく把握することができるので「まずは岩手県の仕事事情を見てみたい」という方にもおすすめです。
注意点として、ハローワークは何度も足を運ばなければないので移動手段の確保が必須です。
車の免許がない方は、送ってくれる人や公共交通機関をあらかじめ確保しておきましょう。
【仕事の探し方②】求人サイト
「ハローワークまでの移動手段がない」という方は、自宅に居ながら仕事が探せる求人サイトの利用が便利です。
見れる求人はハローワークとほぼ同じなので、自分のペースでゆっくりと仕事探しができるのもメリットです。(一部ハローワーク限定の求人もあるので要注意)
求人を見つけてから応募するまでを全てインターネットで完結できますが、面接までのスケジュールは全て自己管理になります。
私の場合、仕事探し中にまだ免許を持っていなかったので、足がある日はハローワークで相談、行けない日は自宅で求人サイトを使って職探しというように2つを併用していました。
最終的な応募は、ハローワークの窓口で不明点を相談・解消しながら行いました。
【仕事の探し方③】紹介
岩手県など地方ならではの職探しとして、知人から仕事の紹介をしてもらうという方法もあります。
私の場合、義父が顔の広い人だったので実際にいくつか仕事を紹介してもらう機会もありました。
地元で会社を経営している方が「臨時で経理ができる人を探している」など思わぬ高待遇求人が舞い込んでくる可能性もあるので、人付き合いや周りとのコミュニケーションは常に大切にしておくと良いですね。
まとめ
今回は岩手県へ移住するメリット・デメリットを紹介しました。
- 岩手県は東京都に比べて家賃や物価がやすい
- 岩手県では通勤ラッシュのストレスがない
- 岩手県は自然豊かで子育てがしやすい土地である
- 岩手県は公共交通機関の発達が未熟で車移動が主流である
- 岩手県は都会に比べてお出かけ先や娯楽のバリエーションが少ない
- 都会に比べて職種が少なく賃金が低いことからキャリア面では苦労することもある
- 根付いた固定観念が多少あり新しいことを始めるときは苦労することもある
地方へ移住すると、文化や生活が大きく変わるのでもちろんデメリットもたくさんあります。
しかし「住めば都」とは良くいうもので、思い切って移住してみれば地方ならではのゆったりとした時の流れや、人の穏やかさに自然と心地よさを感じていくのも事実です。
私は実際に移住してみて、都会と田舎を適度に行き来するストレスが少ないライフスタイルを手に入れることができました。
私の実体験や今回の記事が、みなさんの参考になれば幸いです。